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極楽蝶華
王子の携帯の待ち受け
 


悠紀仁、隆也、灰斗が帰った後の生徒会室で、微妙な集まりが出来ていた。



「好きだ」

って言ったエネルギー見事に流されて、不完全燃焼起こしてる4人。





「……忘れてた……」



圭介がぽつりと呟く。



「……何を?」


「素直に言うと思うか?俺が。」


「思わない。」


「……だろーなぁ……」



携帯電話を胸ポケットから取り出した奈緒が、開いた画面を見せた。


「えっ……それ、見せてっ!……つか、くれ。」


「返答次第でね。」



にっこり。


「……チッ……」


「で、何を忘れてたの?」





「……ユウは、昔から同性に【好きだ】って言われすぎて告白だって気付かねんだよ……」



『何だそれ。』

素直な感想。




ど、どんだけ頻繁に言われてんだよ……





駄目だ。



なんて言ったら伝わるんだよ。






さっき告って(自分内ではそうだった)からかなりいっぱいいっぱいだったのに



これよりもはっきりしっかりくっきりズバッと言わなきゃいけない訳ですか。



今日は勢いで言っちゃった事もあって、まだ会って一月経ってないとか、自分的にタイミング間違った、みたいな後悔があったから別にいいけど。




いやよかないが。





次は、もう一度お前に

「キスして」

って言わせる。絶対。






……いや、それは駄目か。無謀過ぎる。


とりあえず告るならもう少し時間が必要だな。




悠紀仁も俺も。




「ところでさっきの待受、さっさとください。」


「分かったよ……しょうがないな。赤外線付いてる?」


「付いてます。」



『……何の画像ですか?』



「悠紀仁が女装してる写真」



それあんたの待受ですかか。



「生徒会室の高性能スキャナ使って、全部ケータイとパソコンに落としたんだ。」



嬉しそうににっこりと笑う、副会長。




悠紀仁が聞いたら怒るだろうな。

 
ケータイの存在ごとメモリ消去しそう(笑)


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