極楽蝶華
比べるもんじゃねぇ
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「……何で?」
「だっ……て……」
向かい合う獅子緒の肩に顔を埋める悠紀仁。
……離れろよ。
離れてくれ。
殴られた所と一緒に心臓が締め付けられるような痛みが走った。
「……みんなして、俺の事騙して、……俺、そんな嫌われること、何かしたかなぁ、って……」
「ユウ……ごめんなさぃっ……」
俺とやりあった時、呻き声一つ上げず楽しそうに殴って来た獅子緒が
会長でさえてこずる、問題児が。
悠紀仁だけに従順して、恥も外聞も無く泣きじゃくって許しを請う姿は
自分の悠紀仁ヘの想いと
どちらが強いのか
無意識に比べてしまった。
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