極楽蝶華 そういや 階段を降りながらふと気付いた。 カツラと眼鏡。 脱衣所で脱いだらせっかく猫被ってる意味が無い。 それに折角【もうどーしよーもなく問題起こさなきゃいけないよーな状況(ブチ切れた時)】になったら『どーせ俺の今の外見と、カツラ取ったいかにもヤンキーで不良な姿はイコールで結びつかねーから。 いざとなったら物陰で変装解いて喧嘩吹っかけたる』って俺のストレスの逃げ道まで用意したのに。 転校初日にバレたら俺はあの直射日光の中、頭をじりじりと焼くためだけにカツラを被ったことになるぞ。 まあ、千人以上もいんだから誰が誰だかまで覚えてねーだろ。 自分としては 眼鏡の俺=極楽蝶のユウ ってばれなきゃいいんだから。(琉崎のこと含め) っつーわけで途中にあったトイレで、人が来ないのを確認して変装を解いた。 あー頭軽ーい 涼しーい やっぱ夏場にヅラはキツイ。 だってねー。俺色素薄くて肌弱いから髪の毛染めらんねーんだもん。 母さんが綺麗、つってくれてたから黒く染める気は無いけどシャンプーで落ちるスプレー剤とか使えた方が絶対楽だったよね。あれ色々試してみたんだけど痒くなったり被れたり赤くなったりどうも駄目なんだよね。 まぁ、とりあえず、バッグの中にヅラと眼鏡ケースを突っ込んで大浴場に向かった。 風呂、広いといいなー [*前へ][次へ#] [戻る] |