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極楽蝶華
何があった?
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俊が入っていってすぐ凄い音がして春日が入口近くの壁にたたき付けられてずるずると壁伝いにへたり込むのが見えた。



部屋に入ると入れ違いで俊が出て行く。



『……何があった?』



目が合うとすぐ、悠紀仁は顔を伏せた。

……顔、見て話してよ。



「……分かりません。入って来てすぐ、不動が殴られて、その後出ていきました。」



いつもより他人行儀な喋り方。



『……春日、平気か?』


「へーき。」


顔の横でひらひらと手を振って見せる。



『じゃ、悪いけどさ。出てくれねぇか。』




切れた唇の端を拭いながら、扉を閉める後ろ姿が視界に入った。





『悠紀仁……』


まだ濡れている髪の毛に触れると、少し身を退いて肩を竦める。



……拒絶されるのが、こんなに痛いなんて知らなかった。



微かに震える身体ごと抱きしめる。



『……あんな嘘ついてゴメン。』






『悠紀仁が好き、って気持ちが先走った。』




悠紀仁の背中から伝わる鼓動が、心地良かった。


『悠紀仁は……俺の事嫌い?』




小さく、横に揺れる銀髪を見て、締め付けられていたように苦しかった胸が解放された。



……たまんねぇ。スゲェ嬉しいわ。


後ろからでも、顔が赤いのが分かる。




ほっぺたにちゅーしたら唇が熱くなった。



肩越しに見上げてくる潤んだ瞳に理性がぶっ飛びそうになって。



もう一回口付けた耳朶に、くすぐったそうに身をよじって上目使い、で軽く……ヤられた。


マジ、可愛すぎるって……

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あきゅろす。
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