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極楽蝶華

 





「……ホントだよ……。」




抱き抱えたまま、ソファに押し倒した。

少し抵抗されたけど、無視。

キツク抱き締めて耳たぶに口付けたら
まだ乾いてない髪から、マリン系のフレーバーのシャンプーの匂いがした。

違う、俺が欲しいのは……お前の、食っちまいたくなるような甘ったるい香り。

啄んだ首筋、舌先で掠めた肌にその味を感じて安心して
再度抱きしめて、瞼の上に口付けた。

泣かしてゴメン。


『……お前と、キスしたかったから。』


肘で上半身を支えて、上から顔を覗き込んで。
やっとの事で搾り出した声は、囁きよりも小さくて。

情けねぇくらい震えてた。


「答えになってねぇだろ……」


赤くなって、目を伏せる悠紀仁。

……可愛すぎだろ、これ。


『嘘ついてでも、お前とこーゆー事……したかった。』

「……どんな事だよ。」
『キスとか、寝っ転がって抱き着いたり。』

「……何で。」

『キスも、撫でてもらうのも、抱き着くのも、全部気持ちイイ。
お前限定で。』

「……だから、何でだって……。」

『……き、決まってんだろ。


……ッおま、お前が好きだからだよ。騙して、嫌われるとかそこまで頭が回らなくなるくらい、好きなんだよ。お前が。』



言っちゃったよ。

言っちゃいましたよ俺。








脱力して、そのまま無言で悠紀仁に覆い被さり、体重を預けて抱きしめた。

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