極楽蝶華
名は体を……表してねぇぇぇ!!
……ふと、自分の体の異常に気付いてお腹を撫でてみた。
『……奈緒先輩。』
「何?」
『学食か購買どこですか?』
この学校の食堂か購買なら高いんだろうなー・・・・
腹をくくったはずだった。高いんだろう、と。
奈緒先輩に連れられて一人では抜けられない広い敷地を進み、寮に戻って来た。
なんかここは校舎と寮と2つ食堂があるらしい。つかこれはレストランだ。
食堂だなんて言ったらここの内装とあっちこっちにいる給仕のお兄さんたちに失礼だろう。
で
覚悟をしてたはずの俺の予想をはるかに上回る形で価格が提示されたわけなのだが。
いくら藤堂グループ総帥の孫っつっても、俺に実感が無いから一回の食事に最低2000円かかるとか 家事全部やって主婦体質が染み込んだこの性格じゃ無理。
もったいない。
嗚呼……
肉屋の丸井の50円のコロッケが懐かしい……
購買も、寮の1階にあると教えてもらったスーパー?も俺の常識より結構高いお値段を掲示してくださっていた。
とりあえず明日授業ハケたらこの近所のスーパーに行こう。確か来るときあったハズ。
……学校の門から一本道だからいくらなんでも迷わないだろうし。
夕食からは自炊が出来る。
『……』
広大な食堂の入口、さてどうしたものかと手順がわからずに惚けてると奈緒先輩が説明してくれた。
「席に着いてから学生証で注文するんだよ。おいで」
幼い子供よろしく手を引かれて強制的に移動。
やめてくだパイ恥ずかしい。
吹き抜けから続く2階席まで来て腰を降ろした。
あぁこの小さめのパソコンみたいなので頼むわけね。
何かガストで見たのと似てるなぁ……
てか、タッチパネルなんてみんなそんなもんか。
奈緒先輩の動作を見てから、学生証をカードリーダーみたいなのに通してオムライスを頼んだ。2600円。高い。
やっぱ自炊だな。
「……クスッ」
『……なんですか??』
「いや、可愛いもの頼むなぁ、と思って。」
うれしくないです。
切実にうれしくないです。
くっそ、ステーキとか頼めばよかった・・・・・・っ!
程なくして料理が届いた。
ほわん、と湯気の立つオムレツと付け合わせのサラダとスープ。
ぶっちゃけこれじゃ足りないが……小心者の俺には1人前が限界。
まぁ高いだけあって美味いけど。しょうがない帰ったら荷物の中の菓子類から少し腹の足しにするか。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!