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極楽蝶華
副会長……



「……何の用ですか?」


相手はさらに警戒心を強めた。




『生徒会長に、呼び出されたんですけど……』


かなり下手に出て言ってみた。
だって、なんか、この人……絶対怒ったら怖い。


「俊が??
嘘……をついてるようには見えないけど。……まぁ、もし嘘ならもっと上手い言い訳考えるだろうし……とりあえず一緒に来てください。」


しばらくの沈黙の間、何かを探るような視線を受けてやっと解放された。
どうやら不審人物とは思われなかった様だ。ラッキー。

警備とか呼ばれたらマジ洒落になんねぇ。



ほっと一息ついてたら、美人サンがエレベーターに乗って文字盤の下の溝に財布から出した何かのカードを通した。


すると、俺の事は無視してたエレベータが素直に言うことを聞いて上昇を開始する。


「このエレベーターは、6階からの許可、或いは認証無しに6階を押すと機能が停止するようになってるんですよ。知りませんでしたか?」


『……何ですかその無駄な設備。階段で行きゃよかった……』

あ、本音出ちゃった。


「まぁ、理事長室には高価な骨董品等があるし、生徒会室も会計の時期にはかなりの大金が置いてありますからね。
防犯も兼ねてるんですよ。
 あと、階段は6階は6階側からしか扉が開かないので、やっぱり徒労になったでしょうね。」


……今、笑われた?何だよここじゃ常識なのか?
まぁ基準も狂うわな。こんな城みたいな校舎。誰の趣味だし。

まぁそれはとりあえず


『兼ねてる?本当の目的は何なんですか?』


美人サンが少し驚いたような顔をして、また笑われた。
なんなんだよもう。


「まぁ、それは……わからない人には価値がない事だから。」


まぁ別にいいや。

ちょうど6階に着いたらしく、美人サンと共に生徒会室に向かった。


「そういえば名前は?」

『へっ??』

「君の名前だよ。
 僕は久遠奈緒(クドウナオ)3年。生徒会で副会長をやってるよ。」

『あ、はぃ。僕は藤堂悠紀仁、1年です。今日転入してきました。よろしくお願いします、先輩。』

「あぁ君が?一人来るって話は聞いてたよ。外部生だから色々分からなかったんだね。
どうりで。僕の顔も知らないし。」

いえいえ、この学校にいても多分俺あなたの顔知らなかったと思いますよ。
何たって行事の際の偉い人の話を聞き流して立ったまま寝るの俺の特技ですから。


にこやかな先輩。
……でも俺、この笑顔なんか恐い。

無難なあいさつが終わった。


で、思い出した様にこの方の一言。

「そういえば、なんで藤堂君は俊に呼び出されたの?」

いきなり核心デスカ?

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