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極楽蝶華
同室者、コイツ?
 


……くそっ……



遠いんだよ寮まで!!


迷っちまったじゃねぇかコンチクショウ!!(←地図があったのに)


てゆーかここは寮なんかじゃねぇってぜってぇー……


ロビーあるし……吹き抜けだし……シャンデリアとか学生の私生活に必要ねぇーからマジで……


今までの生活でまったく触れることのなかった空気に疲労困憊しつつ、フロント?で自分の部屋のカギを受け取った。

3階の、一番端。これから自分の住み処になるとは言え「お邪魔します」気分だ。


居間として使うんであろう、広々とした共同スペース。薄型プラズマテレビ、パソコン、バスルーム、オール電化キッチンも付いていて……

とても寮とは思えない。なんだ。どこの高級マンションだ。


何よりも自分の部屋。今まで親父と共同だったので超嬉しい。


……と、こっちは俺の同室者の部屋か。

ドアノブに伸ばしかけた手を引っ込めてネームプレートのかかってない方の部屋のドアを開けた。



そこには、家から届けられた段ボールがいくつか。


服と、靴と、CDとコンポ。

……と、抱き枕。



うっせぇな無いと寝れないんだよコンチクショウ!(←逆切れ)


早速段ボールを開けて、備え付けのタンス・クローゼットに片付け始めた。

おっかたーづけーおかたづけー


……

……

……



「おい」

後ろを振り替えるといかにもチャラチャラした感じの男が立っていた。
身長…180はある長身。(ちょっとよこせ)
髪を濃灰色に染めて無造作に立たせてある。
耳に付いてる8Gはあろうかというボディピアス達。外見から真っ先に不良の2文字が浮かんだ。


気を付けろってこういう事かな?



「なんだよ……同室がこんなダサ眼鏡君とか……マヂ萎えるわ」


悪かったなチャラ男。こっちこそ同室がてめぇみたいな初対面で文句言うような奴で楽しくな……

ん??なえる?ナエル……なえる……な・L

……萎える!!
って、なえ、る・・・・?


萎えるって、アレだよね?
テンションとかの話だよね?

物理的な方じゃないよね?
そうだよねぇ、そうすると勃ってることが前提だもんね。
違うよね。



今度は後ろからチワワみたいな可愛らしい奴が顔を覗かして威勢よく吠えて来た。

「不動(フドウ)様は僕のなんだからね!!同室だからって色目使ったりしないでよ?!」



……Pardon?
(もう一度お願いします)
━基本的英語━



いや、むしろもう黙ってください。

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