[携帯モード] [URL送信]

極楽蝶華
……あれー。
 



……最悪だ……




まず寝室のクローゼットに[琉崎]のネームの入った制服のブレザー。(×何着か)


いや……きっと猛さんのだよー。廊下で眠りこけてたから運んでくれたんだよ。うん。


その奥に


[Lapis Lazuli]
のロゴの入った

髑髏のスカジャン。



うーん……

どっかで見た事あるなぁーあ。




……じゃ済まない。

忘れたくても無理だ。
これはシュンの……俊の、トレードマークじゃないっすか……勘弁してくださいよ……。




……揚句廊下に面した扉は開かないし。
何これ、外から鍵かかってんの?
バルコニーからどっかに逃げる、っつーのも無理。

いつもなら出来ただろうが今は無理だ。
 熱と関節痛で身体が思うように動かない。
確かここは10階建て……だっけ?
すぐ上に屋上が見えたから、恐らくここは最上階。落ちたら確実に怪我じゃあ済まないだろう。



……アレですか。もしか俺ってあいつが帰って来たらボコられんの?

これって軽く拉致監禁だと思うー。



昨日は危うく殺人未遂だし……天下の琉崎財閥の御曹司がこう軽く犯罪に手を染めても良いのだろうか。



俺は朝よろしく毛布でもこもこしながらドアスコープを覗いた。

誰か通ったら助けてもらおう。

鍵を無くす馬鹿もいるだろうし管理室にマスターキーぐらいあるだろ。

[*前へ][次へ#]

44/299ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!