極楽蝶華
発見
今日は朝から生徒会の集まりがあるな……
……ヤベェだりぃさぼっちまおうか。
部屋に戻るためエレベーターホールに向かう途中、廊下で毛布被って座り込んでる奴がいた。
変な奴。……閉め出されたのか……?
横を通る瞬間、毛布からはみ出している白い脚に目が行く。
……右足、ふくらはぎの内側……
古い火傷の痕。
何かが背中を走った。
脳にまで達する、甘い痺れ……
何度も見た。
いつも履いてる、あの身体にしてはゴツめのブーツすれすれに赤い羽みたいな引き攣れ。
目の前の人物は寝ているらしく……小さな寝息が聞こえてくる。
起こさないように毛布を剥いだ。
『ユウ……』
飛ぶように跳ねる銀色を一目見て心を奪われた。
追い掛けて、求めて、苦しくて……
それでも尚愛しい。
狂う程に欲して、求めて、……叶わなくて。
だけど、今、目の前にいて、……
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