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極楽蝶華
ハモったのは以心伝心とかでは断じてない。
 




「なんだよ、羨ましいのか?皆さん。」


「別にアンタのポジション自体に興味はねーよ。
第一、今ここでそれが判明して他のヤツらも同じ事考えるだろーなとか気付かねーの?」


そうそう。獅子緒さんと同じのがダメなら違うデザインでお揃いにすればいいじゃないか。


『じゃ・・・・じゃあ、悠紀仁さんっ!違うデザインで俺とお揃いのを』
「無理無理。」


最後まで言い切る前に否定されてグレッシモ(・ω・`)ショボーン



『な・・・・何でですか!獅子緒さんはよくて何で俺はダメなんですか!』

「別に、何もお前だからダメって訳じゃねーよ。
俺の今月の収支は全部予定が決まってるの。」

『え?やだなぁ。
悠紀仁さんに払わせるわけないじゃないですか。』




そう言ったらスパーンと良い音を立てて俺の頭に平手打ちが入った。

「お前らは・・・・っ!
もう少し金のありがたみと言うものを考えろ!
一般の金銭感覚を少しで良いから理解しろアホ!」


「お前ら、って・・・・俺らはまだ言ってないだろ、まだ。」

「まだって何だよ!
嫌だからな、俺は。何でお前らに奢ってもらわなきゃなんねーんだよ。
つーか俊は電車賃の一件の所為で常識知らず決定してるからな。このブルジョワジーめが。」


それを言ったら・・・・悠紀仁さんだってブルジョワジーじゃないか。藤堂財閥会長の孫ですよ、あなたは。


「俺の申し出が受けられないっつーんか。」

「何で俺が俊の申し出を受けなきゃいけねーんだ。」


兄貴がちょっとムッとして、でも言い返す言葉が見つからなかったらしく開きかけた口を閉じた。

なんてこった。どうやら悠紀仁さんは理由のない贈り物を受け取ってくれないらしい。・・・・こうなったら誕生日に狙って何か送り付けるしかないな。
どうしても悠紀仁さんとお揃いは欲しい。



『悠紀仁さん、誕生日いつですか?』
「悠紀仁、お前誕生日いつ?」



春日さんも同じタイミングで同じ考えに至ったらしく、嫌な感じに二人で綺麗にハモってしまった。

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