極楽蝶華
お目覚めコール
まぁいいや。
どーせ騒いだってどーにもなんないしぃー。
とりあえず俺は同じ階にある誠の部屋に向かった。
誠から潤に電話かけてもらお。
四階まで行く気力はないわ。
毛布をもこもこしながらチャイムを鳴らしたら意外と早くに反応があった。
おそらく同室者の方だろう。熱で頭がぼーっとしていてすっかりその存在が頭から抜けてた。
……ヤベー……起こしちゃった?
扉が開いた先にはジャージ姿の人が。
『……スイマセン。起こしましたか?』
「いや、いい。
調度出るところだったから。」
ジャージ、ってことは部活かなんかの朝練ね。だからこんな時間に起きてるわけだ。
『あと、誠います?
ちょっと連絡しなきゃいけないことがあって。』
早朝いきなり尋ねて来た毛布を被った怪しい奴を思いっ切りじろじろ見てから口を開いた。
「左側の部屋。……まだ寝てる。」
『ありがとうございまーす。』
横を摺り抜けて誠の部屋に入った。
まだ時間が早いので起こす気は更々無いのだが……
おーおー。幸せそうな顔しちゃってぇー。
あ、目覚まし時計。
……五個もセットしてあるが毎日これで起きないのか?
これはある意味凄いぞ、誠。
……こんだけあるなら俺は普通に起きられるだろ。
時計のセットが七時半になってるのを確認して、
布団が恋しい病状の俺は誠の横に潜り込んだ。
ぬくいぬくい。
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