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極楽蝶華
例えるとの話
 


「悠紀仁さんっ!じゃあ俺のこと可愛がって!俺のこと!」


ばーん、と後ろから飛び付いてきたビーグルに若干姿勢を崩されつつ。

首の根本をふんふん鼻鳴らして懐いて来る透の頭を腕伸ばして撫でてやった。



だよな。こんな感じだよな。ペットっつったらよ。



「悠紀仁、じゃあ僕の事動物に例えると何になる?」

『奈緒先輩はね、狐。』


「・・・・きつね?」

『うん。髪の毛が亜麻色で、キタキツネの毛皮みたい。サラサラで、すごく手触りがいいから。』



何だろう。何故か周りが笑ってるのだが。


「ああ、奈緒、お前狐とかピッタリだよ。」

「だな。狐じゃなくて爬虫類の名前が出てくるかと思ったけど。蛇とか。」


猛さんの一言に、奈緒先輩の笑顔が・・・・


「へぇ・・・・爬虫類、ねぇ・・・・な ん で?」


一瞬で黒くなった。


「いや、それは・・・・なぁ?」

「馬鹿、猛、こっちに話振るな。」

「あっ・・・・!ひでぇ!普通ここは連帯責任だろ!」

「お、俺は爬虫類とまでは言ってねーからな!俺は!」


視線を合わせないようにして俊がそそくさと逃げてしまった。


流石の俊も奈緒先輩は怖いらしい。


「悠紀仁さん、じゃあタケにぃは何ですか?」

『猛さんは・・・・虎だなぁ。ベンガルトラ。』

「ちなみに何で?」

『髪の毛金色で、猛さん黒好きだろ?カラーリングでな。』


「・・・・ところで村上さんは?」

『隆也さんはね、羊。』

「ひつ・・・・じ?」

『癒し系だろ?あの人。』



「・・・・悠紀仁さんにだけ、ね。
俺にはあの人の眼光猛禽類としか思えません。」


・・・・そーなのか?
俺にはものすごい癒し系のずっと抱っこされてたい感じのオーラなんだけど。

抱っこ・・・・


突然、昨日の風景が脳内で再生された。


抱きしめられて、キスされて、俺も抱き着いて、キスをねだって。
キスをして、舌を絡ませて、・・・・


「悠紀仁さん、どうしたんですか?顔が赤いですよ?」

『な、なんでもない!』

「なんでもなくないですよ!・・・・こんな、可愛い顔・・・・何考えてたんですか?村上さん絡みですか?」

『ちがわぃっ!うるせぇ、黙ってろ!』

「っいひゃい!」


ぐにー、と透の口を引っ張ってこれ以上余計なことを口走りそうになるのを何とか止めた。
兄貴達に似て無駄に勘がいーなクソっ!


ほてった顔を俯けて黒く光るアスファルトに視線を落とした。



うわぁ、ヤバイ、・・・・もうしばらく隆也さんの顔まともに見れない

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