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極楽蝶華

 


「同室相手の心配してるなら……俺の同室でいいだろ。調度誰もいないし。」

「ああ、そらえぇなぁ。けー相手なら俺も気兼ねする事無いし。」


『……何だ、お前そんなに人間関係自信ねーのか?』


結構人当たり良さそうな性格してんのに。


「ちゃいます。俺、えーこちゃんの他にお嫁さんと妹と彼女と幼なじみとメイドさんがおるんです。
いっぱい連れてったら流石に迷惑じゃろ?」

『……獅子緒、日本語に変換しろ。』

「敦はこのノーパソの他にデスクトップ5台持ってんですよ。」



……理解したくない。なんだその設定は。


『あぁ、つまり、そのパソコンの置く場所だな。心配は。
いいだろう。獅子緒と相部屋なら臭いものいっぺんに集めて蓋をしておける。』


元獅子緒と同部屋だった人間は確か今病棟に入院中だったっけか。

退院したら帰る場所が違う所になってるがそいつも獅子緒のいる部屋には帰りたくないだろう。
よかったじゃないか。みんなが幸せになれるな。


「あとすーたん、俺の事敦て呼び捨てでええよ。すーたん俺より年上じゃろ?」

『待て、俺の呼び名はそれで決定か?』


勘弁してくれ。


「これ以外にないな。」

ビッ、と言い切った敦に周りが口を抑えて静かに笑い出した。


そして被害はこれだけでは納まらない。


「オタクの猛君じゃけぇ、たっきー。」

「いや、オタクじゃねーから俺。」

「透君は何にしよかなー……」


自覚が無い猛の一言に華麗なるスルースキルを発揮する敦。

「よし、りゅんに決めた。」

「ちょ、待ってください澤村さん、」

「敦でえぇて。」

「……敦さん、俺の名前原型ないんですけど。」


「えー、そんなこと無いと思うけどのう。
透、とーる、とーりゅ、りゅん、ホラめちゃめちゃ自然じゃけぇ。」

「いや、それ有り得ない進化の過程が……」


甘く見てた。
これじゃ獅子緒のあだ名はまともな方だ。


「えっとー、じゃあ村上君はたかちゃんな。」

「拒否します。」


コンマ何秒できっぱりと否定された敦がえー、と言う口の形で不満を漏らした。

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あきゅろす。
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