極楽蝶華
説明
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『なぁ。ところで何で東京出て来たん?』
様々な騒動がやっと一段落したところでゆーの【普通な】友達らに自己紹介をしあってようやく雑談に入れた。
普通がこんなにも素敵だってきっとそこらのヤツラにはわからんじゃろーな。
「あぁ、カゴメさんがやってる店あんじゃん?
そこのGパン潤達が欲しいっつーから買い物に。」
『ふぅん。』
するとにーちゃん達は完全にゆーに引っ付いて来ただけじゃな。
『でもまさか注文したら即帰る訳じゃないやろ?
久し振りじゃけぇ用事終わったら皆でゲーセンでも行こうや。』
「おっけーもちー。」
それにしてもめっちゃ大人数の移動になるな。チームの幹部らと遊ぶ時より多いかも。
民族の移住みたいじゃ。
『……で、何でにーちゃん達はまだ俺の事を今にも殺さんばかりの目で睨むん?』
俺ちゃんと説明したんに……したんにのぅ……
「純粋な理由だよ。
例え従兄弟だろうと友達だろうと、好きな子にベタベタされたらイラっと来るだろう?」
『……あのなぁ、世の中全員があんたらみたいな変態だと思ったら大間違いじゃ。俺は男に興味無い言っとるじゃろ。』
「あー?
……パソコンが恋人だとか言ってるお前が言えた台詞かよ。」
『その台詞そのままアンタに返したるわ。
俺こそ変態でオタクよりはマシじゃ自覚あるで。』
俺の言葉に猛と名乗った男前は「意味がわからない」といった顔でキョトンとした。
自覚すらないのか……可哀相に……
そして他の数人が盛大に噴き出している。
『はぁ。今日は陽射し強いし、出来るならやりたなかったんじゃがな。
けー、影作って。』
「何。顔見せんのか?」
『……お前こそ初対面のとき、恋人の説明したら大分引っ込んだけどそれこそ顔見せるまでは【捻り殺してやろうか】と言わんばかりだったと思うんだがのぅ。』
少し罰が悪そうにけーが席を立って通路に立つ。
窓ガラスから入ってくる回折光が和らいで俺に影が出来た。
『あんまりゴーグル外しとけないけぇ、ちょっとだけな。』
目ぇ痛くなっちゃうからの。
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