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極楽蝶華
誤解とはいかに。
 



どうやら俺の言いたいことは汲み取ってくれたらしい。
何で俺があんな事したのかも試験の意味も。


「……でも、悠紀仁さんにキスしたのはすっげームカつくんですけど。」


でも未だ透君は納得のいかないといった感じのむちゃくちゃ不機嫌そうな顔をしている。無理ないか。


『あー……その件については、ゆーは基本お父さんの所為で親族とキスすんのは普通だと思ぅとるし……ぶっちゃけ俺ゆーとキスとかホントはしたないけぇの……。
親族ゆうてもお互いいい年した男じゃけぇ。むこうは気にせんでもこっちはそんな教育受けとらんし……』


ちょっぴり困りながら何と説明すればいいのか試行錯誤しながら言葉を紡いでいく。ふと顔を上げると小刻みに震える透君が。
……何故怒っている。


「そんな……そんな!悠紀仁さんにちゅっちゅしたくない男なんているわけありません!
前言撤回してください!悠紀仁さんはこの世で1番可愛くて中身も綺麗な人なんですからね!
俺があの魅惑の唇を見て一日に何回妄想してると思ってるんですか!」


キレられた。
しかもしょーもない事で。


『……君は俺がゆーに惚れればいい思とんのか?』

「そんな事思ってないに決まってんじゃないですか!……でも悠紀仁さんとキス……俺もしたことないのにぃ〜

ところで、澤村さん、本っ当〜……っに!悠紀仁さんのこと何とも思ってないんですよね?!」

『だから、そう言ったじゃろ。……つーか俺、恋人おるし。もちろん男じゃないで。』


けーにも最初こんな感じで詰め寄られたな。
まぁ、恋人の事説明したらちゃんと解ってくれたし。

「……マジっすか。」

『マジっす。
ほんなら、手ぇ洗たら席戻ろか。他の人もな、俺の恋人の事知らんし。話したら完全に誤解解けるやろ。』

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