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極楽蝶華
携帯電話
 


使わせてもらってた方のベッドルームに戻るとタオルの上に俺の鞄が置いてあった。

中を探して携帯電話を取り出すが……


『あー……やっぱ?』


当然の如く電源すら入らない。


まぁ昨日水没させちゃったしなぁー。当たり前か。


どーしよっかなぁー。誠達の番号覚えてな……



『あ、あるある。』


昨日水没したのは悠貴さんにもらった方だ。

今まで使ってた奴が部屋にある。


最初この学校に来る前に
「必要だから」
ともう一台貰った時は少々びっくりしたが、来てみるとなるほど。外界との接触は最低限まで制限されてて、通常の携帯電話は敷地内だと常に圏外だった。

学園側から購入するケータイにも制限がかかり、事前に申請して審査を通った相手(例えば実家とか、兄弟とか)にしか連絡を取れないらしい。
血縁じゃないとまずその許可は降りないそうだ。
(この辺は昨日彰に聞いた)
その代わり電話の使用料はかからないらしい。

俺が以前から使っていた物はシルバーの髑髏や瑠璃鋏羽のペイントで飾られていて、『いくらなんでもこれをオタクが使ってたら不自然だろう』と考えて、電話帳としての最後の機能も使わずに普段は部屋に置いてある。


そして、誠達や奈緒先輩等、新しく教えてもらった物は全て2台両方に登録してあるのだ。


長年主婦みたいな事やったせいで[もしも]を考えるのが癖になっているが、それが幸いした。


確か2階に公衆電話が(サービスの一環らしく、こちらも使用は無料。)あったから、ケータイの電話帳見ながらそこからかければいいや。


部屋行ってこー……


ふと、べッド横のテーブルの上にメモのような物が置いてあるのに気付いた。

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あきゅろす。
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