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極楽蝶華

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……物音がする。

外は未だ暗い。悠紀仁君がトイレにでも起きたのだろう……


気にせずまた眠ろうとした時、いきなり部屋のドアが開いた。


『……え?』


その人物は欠伸をした後、寝床に潜り込んで来た。



『ゆ、悠紀仁……君?』


整った顔は半ば体を起こしかけた高裏に抱き着くような形で寝入っている。


『……寝呆けている、のか……?』


おそらく寮で使ってる部屋が同じタイプで、尚且つこちら側なのだろう。

間違って入って来たのか……



未だ高い体温が布地越しに伝わってくる。



月明かりと同じ色の髪の毛が光を受けて……微かに光っている。


『……』


一瞬の躊躇の後……布団を肩まで掛けてやり、自分もその横で眠りについた。

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