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極楽蝶華
>にげる


うわ、口から血ぃ垂れてる。ホラーだぁ……やだぁ……

……俺のだけど。怖いもんは怖いんだもん。


琉崎がまだダメージがら回復しないうちに、水没してた鞄を掴み上げて立ち上がって走り出した。

服が水を吸って重くなっているという点ではイーブンだ。
 後は俺の蹴りがどのくらい効いてるか、だな。




持久力では確実に負けている。
……走って逃げようとしても無駄だろう。


それにここでは昨日みたいな手は使えない。
校舎の周りはセメントで固められていて、いくら何でも三階から飛び降りて被害が無いかどうか……

昨日は下が土だったからこそ出来た芸当だ。

かと言って、二階なら平気なんだが……琉崎も確実に後を追ってくるだろう。





先程からすれ違う奴すれ違う奴全員がこちらを振り返って凝視してくる。



血塗れ・びしょ濡れの男が学校の廊下を全力疾走してたらそら目立つわ。

おまけに後ろから鬼の形相して口から血が垂れてる生徒会長様ももれなく付いてくる。



琉崎と出くわした時は後悔したが、むしろ今カツラ被ってなくてよかった;



適当に走りながら手を考えるが浮かばない。

……腹を括ってもう一度やりあうしか無さそうだ。

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あきゅろす。
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