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極楽蝶華
付いて行くしかナイ。
 

ピンポーン


『……ッ、帰って来た!!』




玄関ダッシュ。



飛び付く様に手をかけた扉、急いで開くと……案の定隆也が。


……まぁ、送ってくるだろうとは思ってたけどよぉ。


どうやら脳内ビジョン悠紀仁に備えて尻尾振って飛び出して行ったのに開けてすぐ隆也でかなりがっかりしたらしい。



で。


『つーか、何でアンタ悠紀仁抱いてッ……て、おわッ!!』
「失礼、話は後だ。
取り敢えず上がらせて貰うよ。」


……?あの、村上が靴も揃えずに焦った顔で。


ほうけた後、すぐに自分を取り戻して二人の後を追った。

一直線に向かう先は悠紀仁の部屋。



『オイ、一体何があったんだよ。』
「だから、黙っていてくれないか。話は後だと言っただろう。」


ガン無視決め込んだ村上は、悠紀仁の事をベッドに下ろして俺を無理矢理追い出す様に部屋の外へ出す。

村上が後ろ手に扉を閉める……その隙間。


半開きの口に、超絶艶っぽいめちゃくちゃ可愛い悠紀仁が見えて背中がぞくりとする程欲情した。
(いや、当然いつも可愛いけど。)



『ヲイ』

「さて。
春日……君に話があるんだ。勿論、悠紀仁様の事だ。聞くよな?」


またしても俺の話に耳も傾けず、しかも断定口調で隠れた命令を含んだ物言いに少し俺の眉が不機嫌に上がる。

しかし、悠紀仁の話……しかも、今の様子についての事だろう。が、されるとなれば……俺に選択肢は無い。

仕方が無いが、今この場から引き離されるように村上の言葉に従い部屋を出るしかなかった。

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