極楽蝶華
2
『……キスの最中に、何かお気に召さない事をしてしまいましたか?』
やはり、さっきの事に関してだろう。
だが、
「〜〜〜ッ、」
理由を教えて貰えないのは何故だろうか。
いつも、この人は何でも物怖じせずに人に物を言えるのに。
『……お叱りの言葉なら受けますから。
貴方が泣いた理由を教えてもらえないのは……正直、辛いです。』
「ッそれ……」
『はい?』
「……それ、言わせるのも、いじわる……ッ」
……どうしたらいいんだ。
正直、本当に……悠紀仁様が泣いた理由が解らないのに。
『……もう、しませんから。口付けは……今回だけの事で、無かった事にしてください。』
後悔と、唇に触れた感触だけ残った。
「……ッそれが、いじわる……!!」
『…………え?』
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