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極楽蝶華
阻止
 


「ユウ〜、なら俺の着替えとか風呂とか手伝ってよー。」

「レオ、そんな怪我酷いん?」

「ん。めっちゃ痛い。……ユウがいるときだけ痛くないけど。」


『……もう一回身に染みてみるか?獅子緒。』

「……俺お前と違って創傷だし。水が染みんの。傷に。
濡らしちゃいけないから風呂入る時不便だし。」

「そっかぁ……やっぱ濡らすのヤバイよね。」

『気をつけて入れば大丈夫ですよ。悠紀仁様がわざわざ心配することはありませんよ?』

「……うっせーよ鉄仮面。告って来るやつ来るやつ全員酷い振り方してっくせによぉ。」


……嫌味っぽく呟いた獅子緒の言葉に少し眉の端が上がった。


お前の様に人生の汚点、と言うわけでは無いがこれを悠紀仁様に知られるのは心苦しいな。

私は別に何とも思っていなかったが……と言うより、煩わしくて敢えてキツイ物言いをしていたのだが。
私が、私に好意を寄せた相手をわざと傷つけたと、それを悠紀仁様が耳にして辛い思いをなさるのはごめんだ。

この前みたいな……顔は、二度とさせたくない。


『君にも左手があるだろう?』

「……でも〜、ユウ、不便なんだよーぉ。」

『……君にも、左腕があるだろう?と言っているんだ。手伝ってくれる者もたくさんいるではないか。何か不自由しているなら呼んでおいてやろうか?』

語尾は強めて。


「……わ、かったっつーの。」

引き攣り再び。

あの程度で弱みを握ったと思ったら大間違いだよ。
……君がいつも脅してるような後ろめたい事だらけの人種とは違うんだよ?


「いいの?平気?」

『自業自得ですから気にしてやらなくて結構ですよ。
……悠紀仁様がわざわざ。』

「うん……平気。」

「そ?なら良かった。」



ぱたぱた、と上機嫌に足を振る悠紀仁。
隆也に腰掛けて膝から下を揺らすという幼い行動が可愛い。


「ねー隆也さん。」

『何ですか?』


「今度手伝いとか関係なしに一緒にお風呂入りません?」

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あきゅろす。
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