極楽蝶華
喧嘩購入
「ホラ、レオお前折角隆也さんが気ぃ使ってくれたんだから大人しくしてな。」
「…………。」
『…………。』
獅子緒に、じゃありませんよ……
「レオ、何か欲しいモノ無い?」
「欲しいもの……ユ」
『失礼、手元が狂った。』
獅子緒が引きずって絡まった点滴の管を直している途中、あくまでも軽くだが傷口の上を押す。
「……〜ッテェな!!」
『それは悪かった。』
しれっ、と言い放った隆也を噛み付く様に睨み付ける圭介。
「?……何言いかけてたん?
欲しいもんあるなら買ってきてやろうか?」
「ん〜……
……買えるもんなら不自由してないからいいよ。」
「そ?」
『…………。』
先ほど聞いたが……貴様昨日からここの担当者使い走り代わりに命令しているだろう。
まぁ悠紀仁様の事を使ったりしたらそれこそ許さないが。
「買えるものは何も不自由してないけど、俺今すっげぇユウが足りてないから……ユウ、ぎゅーってして。」
「ぎゅーすんの?怪我平気?」
「ユウがぎゅーしてくんねぇと治んない。」
「しょうがねぇなホラ。」
『…………。』
ベッドに寝転がる獅子緒に悠紀仁様が覆い被さって、その華奢な肢体を幸せそうに抱きしめながら……薄い肩越しに獅子緒が私を勝ち誇った表情で見上げてくる。
……喧嘩を売っているのか?
「ユウ抱っこすんの……久々ぁ〜〜ッ
……ッ可愛い!!」
ふんふん、と鼻を鳴らしながら悠紀仁様の首筋に口付けて……また、勝ち誇った様な表情。
……買ってやろうか。獅子緒。
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