極楽蝶華
生徒会遭遇率いやに高い
いや違う違うヤバイヤバイ
『……って名前じゃなくて、藤堂悠紀仁、って奴に渡してください。』
苦しい……
「……じゃあ、君は……なんて名前なの?」
……まぁ、別にこの人になら知られてもいいや
『……いや、藤堂悠紀仁って名前なんですけど……いつもはカツラと眼鏡付けてるんです。
とりあえずそういう名前なんで、オタクみたいな格好してますが【藤堂悠紀仁】が俺です。』
「あぁ……うん。必要だよね。」
『目立つんでね。喧嘩したりして問題起こしたくないんですよ。』
「そうじゃ無いんだけど……まぁいいや。
じゃあ、お礼もそこそこだけどゴメン。
生徒会の集まりがあるんだ。僕……もう行くね?」
『生徒会なんですか?!』
「うん……今日はほんとにありがと。またね。」
落ちていたファイルを拾って走っていった。時計を見るともうHR終了のチャイムが鳴る頃だ。
―キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン―
鳴った。
もう教室行っても怒られるだけだし、このまま寮に帰っちゃおー。
鞄を持って欠伸をした後、そのまま裏手を抜けて通路に行こうとして……
その途中の中庭で俺はとんでもないものを目にした。
『にゃ……にゃ……』
にゃんこ━━━━━━!!
俺猫大っ好きなんだよ!あッていうか動物全般大好きだけど!!……あの肉球がたまんなぃ……!
ほっぺたてしてし叩いて欲しいなぁー、とか考えつつ俺はにゃんこに走り寄った。
『あぁ゙ー……。もぅ、このベロアみたいな毛並みがかなり気持ち良ぃー……』
毛並みからして結構高い種類かなぁー。けど人懐こいなぁー、可愛いなぁー。
噴水の横のベンチの上に寝っ転がって
『可愛いー可愛いーヤベー俺メロメロだよー顔舐めんなよー』
とか言いながら猫を抱き上げてデレデレしてたら
目の端に人影が見えてかなり慌てた。
『……ぅわぁぁぁっ!……っと……』
恥ーずーかーしーいー。
もう取り繕えないけどとりあえず急いで体を起こしてベンチに座ってみたり。うへー。
やべー。俺この年でこんなことやってんの見られてどーすんだよぉー。
誠とかに見られたら一週間は笑われると思いますが。
(-ω`-)ヤメレー
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