極楽蝶華
3
「なぁ、猛さん足の付け根怪我してんのかな?やっぱ一人で風呂入らない方がいいよな。」
『……大丈夫。もうお前心配しなくて。』
「ん?」
『……俺が……一緒に入ってやるから……平気。』
こうでも言わないと……こいつぜってぇ引き下がんねぇし。
「マジ?
……確かに、兄弟の方が気兼ねしなくていいよな。」
「……うん。」
『だろ……?だから、ホラ、もう帰りな。春日も心配してんだろ。』
果てしなく疲れた。
「あー……そっか。
じゃあもう部屋戻っとくね。
猛さん、遅くに押しかけてごめんね?」
「んーん。悠紀仁ならいつでも歓迎だよ。」
『……今度は俺の部屋にも来いよ。』
「分かった。そのうちまた遊びに行くよ。
じゃ、お休み二人とも。」
『あぁ、お休み。』
「お休み悠紀仁ー。」
ぽてぽて、とドアまで歩いて行き、扉の向こうに消える時にまた手を振っている。
……可愛いなコラ、と
片手を軽く上げて、悠紀仁がまた笑うのを何となく幸せな気分になりながら見送った。
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