極楽蝶華
傷の心配とお風呂
悠紀仁が、……ふと、自分に回されてぎゅうぎゅう抱き着いてくる猛の腕を見て、何かを思い出したようにいきなり慌て出した。
「た、猛さんッ!!腕ッ!!」
「ん?もっとぎゅーして欲しい?」
「ち、ちがいますそうじゃ無くて……猛さん怪我してるのに何こんな力入れてるんですかッ!!」
「あι」
急に手を離す猛。
……あの分じゃもう大して痛くねぇんだろーな。風呂も入れたみてぇだし。
「それに、さっきお風呂入ってましたよね?!傷口化膿したらどうするんですか?!」
「え、え〜〜……平気だよそんな大袈裟にしなくても。」
そーそー。
……あの程度の創傷ならすぐ治るって。俺らなら。
(←治癒能力が人外並)
「ちっとも大袈裟じゃありません!!もう傷に無理かけちゃダメですよッ?!」
「だって風呂入ったらどうしても濡れるって。
傷口は塞がってるから平気だよ。」
『大丈夫だってそこまで神経質になんなくても。』
安心させようとぽんぽん、と頭を撫でても……何故か考え顔。
「……でも、猛さんやっぱり傷口に悪いですよぉ。
誰かに頭とか洗ってもらった方が…………
……そうだ、俺風呂一緒に入りましょうか?」
「『えッ?!』」
「その傷、俺の事庇ってついたもんだし……少しくらい手助けさせてください。
いいですよね?」
「え……ちょ、ちょっと待ってちょっと。」
『だ、ダメに決まってんだろ一緒に風呂なんて!!』
「えー……何でですか?不便じゃありません?着替えとか一人で出来ます?」
「ね……?悠紀仁、もう一回考え直そう?
一緒に風呂だよ?まっぱだよまっぱ。」
猛がこんなに阻止に必死……って事は密室に二人で、悠紀仁の全裸見てアレの変化抑える自信がねぇんだろうな。
確かに俺も無いけど。
んでもって猛と悠紀仁そんなシチュエーションに置きたくねぇし。
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