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良い子の時間



「抱かせろィ」


目の前にいる男が言い放つ。

「あえて受け答えしてあげるという優しさを持ってお答えしますが、なんで私がそんなコトしなきゃいけないのですか?」

私は、ほんの少し、ほんの少し、気が揺らいでしまった自分を窘め落ち着かせる為に、回りくどい言い方をして冷静さを装う。


「今日は俺の誕生日なんでさァ」

「ふうん。それで?」

「だから、誕生日プレゼントってことで」

お前ェの身体、と続ける奇想天外な提案をしてきたこの男――沖田総悟に対し、私は深いため息をついた。


「馬鹿じゃないの。アンタの誕生日だからって、なんで私が身体を献上しなきゃいけないのよ」

「お前ェの貧相な体で譲歩してやるって言ってんだ。有り難く思いなせェ」

「っなああああ‥!」

私はかああッと頬が赤くなるのを感じつつ、相手のペースに飲まれてはいけないと、グッと握り拳を作り自我を保つ。

「生憎、私は彼氏以外の男とは寝ない派なので」

「ほォ、そりゃあ‥」

随分苛め甲斐のある、とドS要素たっぷりの言葉を吐いたこの男――沖田総悟に対し、私は静かに心を高く踊らせた。


「お前ェの彼氏、上手いの?」

「さあ?上手い下手を判断出来る程の経験を積んではいないから」

「俺の方が上手い自信ありやすぜ?」

「セックスにテクニックを求める程、私は淫乱ではないの」

私は疼く身体を抑えながら、ひとつ一つ言葉を紡ぐ。

「お前ェはセックスは快感のためじゃないって主張する類の人間かィ?」

「彼氏の性欲を満たすのが彼女の務めだと考える類の人間よ」

「セックスに自分の嗜好は関係ないってェトコ、か」

寂しい性交渉だねェ、と呟くように言葉を溢したこの男――沖田総悟に対し、私はほんの少し残念そうに俯き、まっすぐで嗜虐的な瞳にほんのりと瞼を被せた彼の横顔にゴクリ、と喉を鳴らした。



「なあ、」

「なに?」

「気付いてんのかィ?」

「なんのことですか?」

「お前ェ、」

めちゃくちゃ俺に抱かれたいって顔してやすぜ、と私の心の中を見透かしたように薄ら笑いを浮かべ、私の身体を舐めまわすような目つきで、見て、そして、私の腕を掴んだかと思ったらグイッと引き寄せ、られて、気が付いたら、私の唇を奪っていたこの男――沖田総悟に対し、私は思わず目を閉じて彼の肌のぬくもりを、待つ



良い子の時間
(ただ今、終了致しました)


* * *

HappyBirthday!
20110708 okita*sougo


沖田君は絶対誕生日プレゼントはお前ェの体で派だと思う。
有瀬は喜んで差し出す(聞いてない)

20010710
*applejam*







あきゅろす。
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