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嵐よ吹き飛ばせ、そして…
されど風当たりが強く
窓から屋根へと逃げ、ターミナルへ向かう途中。


私は重大なことに気付いた。






真選組が追ってくる気配はない。



私は皆の足を止める。


「ちょっと止まって!」


それぞれでスピードを緩め足を止め、こちらへと振り返る。



「ターミナルの行き方、わかる?」


「たーみなるってあれだろ?」


元親がすぐさま、幼い指先で一番高い塔を指差した。



「そう。私がいなくてもいける?」

「What?どういうことだつかさ」

疑問で返される。





周りがすでに私の事を知っているため自分で話すのもなんとも変な感覚だ。


けれども、これはかなり重大であるからして話さないわけにはいかない。





「私は凶悪指名手配犯なの」






「凶悪・・・指名手配犯?」




皆の視線が変わる。

戸惑いの視線が私に注がれる。




「そう。さっきの桂ってやつはここを治める人間に逆らう集団の長で

指名手配犯になってるけど・・・私は何十人もの人間を殺してる。

それも残酷に」



こんな時、どんな表情をすれば良いのか分からない。

けれども話は続けなければならない。




後の危険性に関わることだから。


「さっきも言ったように私は指名手配されていて、ターミナルは人がたくさん集る場所なの。

元の世界に戻るためとは指名手配犯である私と一緒に行ったら帰れる確率が格段に低くなる。

運が悪ければみんなそこで殺される」


ついでにいえば天人も集る場所。

警備も厳しい。

そんな場所に私と共に行けば仲間だと勘違いされる。

そうすればいざ捕まった時に言い逃れなどできない。

私と共に打ち首で一生を終えてしまう。



「私は別方面から行くから、みんなはこのまま一直線にターミナルに向かって」


話を終え、反応を待たずに歩き出そうと一歩踏み出す。


佐助のどこか冷ややかな声が私を止める。









「まってよ」

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あきゅろす。
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