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嵐よ吹き飛ばせ、そして…
ほら、泣き止んで


女中さんに道を聞きながらも倉へとたどり着く。

あまり人が来ないらしく小鳥のさえずる音と木々の葉が擦れ合う音しか聞こえなかった。



「・・・もしかしてつかさちゃん?」


そんな静かな中に人の声が入り、そちらへと身体を向けた。

迷彩柄の服。忍のような服装だが迷彩柄というところからしてもう忍んでいない。

橙色の髪に顔の鼻頭と両頬に緑のペイント。

私はそのペイントが特徴であった人物の名を呼ぶ。

「―――もしかして佐助?」

身長が高く顔も大人びているが、面影がはっきりと見える。

佐助は笑顔で肯定した。

「そうそう、その佐助!」

懐かしき友と再会するように私を抱きしめる。

といっても身長の差が激しくて私が抱き上げられている状態なのだが。


「けど驚いたー。今度はつかさちゃんが子供になってるなんて」

「子供っていうなっ」

佐助の頭を叩く。

それでも嬉しそうにニヤニヤしているものだからやる気が失せなるがままに抱き上げられていた。

「それより、さ・・・怪我大丈夫なの?」

抱き上げられていたが胸元に抱きすくめられる。

耳元で囁くようにたずねる佐助の声がくすぐったかった。

「怪我?」

「胸にさ・・・撃たれたでしょ?」

ああ、と理解の声を出す。

確かにあの時、銃で胸を撃たれた。

しかも丁度、心臓部でありまず助からないだろう、と。

けれど、この世界に来たときから嘘のように傷はなくなり血の染みた痕しか残っていなかった。

元親には驚かれたっけ。

「大丈夫大丈夫!こっちの世界に来るときに治ったよ」

ほら、と着物を胸が見えないぎりぎりまでめくり見せる。

佐助が「ぎゃ!」と悲鳴を漏らしめくっていた手を掴み正位置へと戻した。

「つかさちゃん、異性の前でそんな事しないの!!」

いくら姿が子供とはいえ、俺様は男なんだから!と説教。

「・・・あぁ、下半身が騒ぐの?」

「下品なこと言わないでっ!!」


否定はしないのか、佐助よ。

というかこの年齢でここまで胸がぺったんこなのだ。

見せたって減るわけが無い。むしろ女性ホルモンが分泌して大きくなる可能性の方が高い。


私はボインがすきなのだ。

何の話をしているかって?

私の趣向の話だコノヤロー。



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