嵐よ吹き飛ばせ、そして…
運命の
振り向くと五分五分で前髪を分けた少年が立っていた。
「我々は、この世界にきてから若返っておる。不覚にも我もこのような幼子の姿に」
「ふーん・・・でどうして私にそんなことを話すの?」
わざわざ気絶した私を連れてきて自分たちを話す理由はなんだろう、と。
そこまで考えて愚かながらに気付く。
その答に確信を持たせるかのように佐助君が円満な笑顔で言い放った。
「そりゃあもちろん、元の世界に帰るのを手伝ってもらうためだってばー」
ははは、と微笑む佐助君の顔は口では言わないが確かに
『助けてあげたんだから、今度は俺たちを助けてね♪』
と、書かれていた―――――
「帰り方は分かってる」
私の隠れ家にたどり着き輪を作り座り話す私たち。
正面に迷彩柄の青年、猿飛 佐助。
佐助の隣には、彼の上司である真田 幸村。
逆隣には冷静な口調で話す少年、毛利 元就。
そして私の左右に、左目を眼帯で隠した長曾我部 元親と右目を眼帯で隠した伊達 政宗。
どれもこれも過去の時代、活躍した者の名、土地を治めた者の名ばかりであった。
そして、話を聞く限りこの世界の過去とは違うが、それぞれ国を治めていたり呼び名があるほどの実力者ぞろいであった。
「え?なら私の手助けなんかいらないじゃん」
それらの輪の中に同じように座っている私自身に違和感を感じながらも続ける。
「そっれがさぁ〜、この世界の人の手助けが必要不可欠だって言われてね」
「誰に?」
頬をポリポリ掻く佐助は妙に困った顔で言った。
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