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嵐よ吹き飛ばせ、そして…
そんな期待してたのにって顔しないで


「しっかりせよ、つかさっ」

元就が頬に触れている。

どうして、私の寝室にいるのか等わからないが、元就に限ってやましい事をしようとしているわけではないということだけは理解できる。

「れ?どーしたの」

「どーしたの、ではない。朝だということで起こしにきたらうなされていた」

夢をみたのは覚えているがどんな内容なのかも嫌だったのかさえもわからない。

いや、うなされていたのだから嫌な夢に違いない。

例えば、魚に埋もれる夢とか。

元就から矢が何十本と飛んでくる夢とか。


あんな夢、こんな夢と想像(妄想)を膨らませているといきなり両手をつかまれ持ち上げられる。

「大丈夫なら行くぞ」

返事を返す前にそのまま連れ出される私。


ぶらぶらと揺れる身体。

普通に持ってくれれば良いのに、と思った矢先に元親が浮かんだ。


「・・・・・・デジャヴ?」


なぜ二人ともこの持ち方が好きなのだろうか。

感覚が面白いのかもしれない。

いや!

己の世界にいたときに変な呼び名をつけたからそのお返しかもしれない。

絶対そうだ。それしかありえない!




悔しさで何か反抗してやろう、と考えたが身体が小さいこともあり抗うことができない。


結局は、脱力状態のまま連れられ城の最上階、見晴らしのいい場所へと連れてこられるのだった。


仕切りの外を覗くと海が見えて、水平線が広がっている。

そしてしばらく見ていると日の端の部分が見えてくるのだ。




いわゆる夜明け。


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あきゅろす。
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