口喧嘩が終わり日が傾く頃には元就のお城の中にいた。 そしてなぜか元就の向かいに正座をさせられ夕餉を食べているという。 けど、あれだ。 「こんな、豪華なご飯はじめて」 「・・・・。」 今や、なれた幼い自分の手で箸を掴み口へと運ぶ。 目の前にはたくさんの種類の野菜とさしみ。 「元親の所なんかさ男料理でさー、全部魚、魚魚!」 「・・・・。」 「も〜、飽きるのなんのって!だから新鮮」 「貴様は黙って食うことが出来ぬのか」 その言葉と同時に矢が何処からか飛んでくる。 紙一重で当たらない矢は真横を通り過ぎ、背後の障子を突き破った。 「――――――!??!!?」 なになになに!? どっから飛んでくるの?今、正面から来たよね?元就しかいないのに、つか元就が弓を構えたようすなかったし。 どうなってるの? 怪奇現象すぎるよ! 動揺を隠し切れない私をゆっくりみる元就。 その瞳の奥に黒く燃える炎が見えたかもしれない。 「―――次はないぞ」 いや、見えたのだ。 確実に。 「・・・はい」 恐怖で涙を浮かべながら口へ運ぶ。 半端なく怖いよ、元就。 お前、そんな性格だったのか元就。 もう、ドSの類じゃないって。 鬼畜 の類だって。 元親んとこ帰りたいです。 めちゃくちゃ帰りたいです。 もう、男料理でもいいから帰らせてください。 その願いは叶うはずもなく就寝を迎えるのであった。 [*前へ][次へ#] |