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嵐よ吹き飛ばせ、そして…
爆弾と云う


目を覚ましたとき、誰も来ない路地裏に寝転がっていた。

疑問に思いながら空へと身体を向けると三人の子供たちが私を覗きこんだ。




右目に眼帯をつけた少年A。

見た目純粋っぽい少年B。

左目に眼帯をつけた少年?C




このかぶき町で見かけることのない姿の子供たちに若干驚きも、ゆっくりと起き上がった。




見た目純粋っぽい少年が嬉しそうに後ろを振り向き名を呼んだ。


「佐助、佐助!目を覚ましたぞ」


名を呼んだ方向へ視線を向けると迷彩服を着た青年がこちらを振り向いた。

私と視線を合わせるとへらっと笑った。


「こんにちわお嬢さん」


「お嬢さんって見た感じ私のほうが年上でしょうが」




青年といっても見た目からいってまだ15歳ぐらいではないだろうか。

今年で私は20歳なのだから お嬢さん はちょっと微妙である。


「う〜ん・・・そうなんだけどねぇ、見た目より俺ら年上だと思うから」


意味深な言葉を吐く迷彩柄の青年。


「ねえ、お嬢さんはここに住んでる人?」

「住んでるっちゃー住んでるかな」

じゃあ教えてくれない?と言われ首をかしげる。


その後に聞いたのはかしげた首をさらにかしげて180度回転させたいぐらい

理解不能な言葉だった。








「―――この"世界"ってなあに?」







は?











「・・・つまり。佐助君たちはここじゃない世界から来たって事でOK?」





信じられない。

むしろ信じられない。

絶対信じられない。






そう思ったが、何かのイベントとでも思えば良いと流した。

いや、流すしかなかったんだ。

だって、まともに聞いてたら私が変になりそう。


「「おっけー?」」


純粋そうな子供と佐助君が下手な発音で語尾の台詞を繰り返した。

左目に眼帯をつけている子供と、右目に眼帯をつけている子供は

理解できているらしくさほど反応は無かった。

右目の眼帯の少年が補足した。

「わかった?っていう意味だ」

それに頷く左目の子供。


「譲ちゃん、南蛮語わかるのか?」


その子の口から吐き出されるのは綺麗で可愛い容姿と違って男らしい口調。


「ぷ・・・男の子みたい」

「ぁあ?!俺は男だ!」

「そうなの!?」

みたいではなくそうなのだと怒り出す子供。

背後から新たに声が追加された。

「そやつの幼少時代は姫若子と呼ばれていたのだからな」

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あきゅろす。
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