嵐よ吹き飛ばせ、そして…
忘れないでくれ―
「佐、助・・・気を・・・だ・・・て」
「喋るな!」
いつの間にか抱きかかえられている。
悲痛な顔をした元親、元就、政宗に幸村がみえる。
幸村にしては今にもなきそうだ。
本当に、子供みたい。
「さすけ、気を」
やっと発音できたが口の中が苦くて仕方ない。
「はやく・・・!」
最後のチャンスだ。
肌がチクチクと感じる。
身体がやけに寒く感じ、恐怖なのか佐助の迷彩柄の上着を握り締めた。
これが殺気―――。
この世界の者と比べてとても冷たく恐ろしい。
墳怒や悲哀とは違う何か。
「つかさちゃん・・・ごめんね」
その中に混じる悲しみ。
謝る必要など無い。
「私が、背負っただけ・・・から・・・気に・・・ないで」
焦点が定められないのを感じ、そろそろ危ないと思い目を閉じる。
目を閉じた暗闇の先に一点の光――――――
それが段々とこちらへ近づいてくるのが分かる。
私はそれが何なのか直感で理解した。
それが、この地下に存在する"気"なのだと。
近づいてくる天人達の中心で私は叫んだ。
「開けええぇえぇえぇええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
まばゆい光が私へ直撃し、
真っ白になった―――――――――
[*前へ][次へ#]
無料HPエムペ!