[通常モード] [URL送信]

嵐よ吹き飛ばせ、そして…
それは、旅を共にした仲間









「そろいもそろって女の子に対しての接し方なってねーなぁーオィ」















見上げた先に銀色の天然パーマがみえた。

めんどくさそうな口調に反しその手に持っている木刀を振りかざし警備員達を殴り飛ばした。

「つかさちゃん!」

私の転倒に気づいた佐助たちが戻ってくる。

天パーが振り返った。


「よぉ、つかさ」


天パー如く、万事屋坂田銀時が馬鹿にするように微笑むのが見えた。

「銀ちゃん」

「楽しいことしてんじゃねぇーか。

そんなに大所帯になっちゃって何隠し子?え、夫若くね?

泣けるねー愛の逃避行ってやつー?銀さん追い越されちゃってかなしー」

「いや、隠し子違うし。どうみても違うでしょ!その目は節穴か!!」

「いやいやいや似てるって似てる。見た目は似てないけどほら、あれ、アレが似てる

「意味不明理解不能いますぐご臨終しろ」

いつもながらにこんな緊迫した中でも不真面目である。

真選組が追いつき、銀ちゃん含め私たちを囲んだ。

「あー、銀ちゃんのせいで囲まれちゃった」

「バァーロー、助けてやったのは俺だぞ」

「今が一番助けて欲しいっての」

「銀さんもそう思うなー」

その言葉に佐助がつっこむ。

「え、アンタ何のために来たの?」

同感。

助けに来た奴が助けてくれだなんてふざけんなって話。

「やぁーと追いついたぜぇ?つかさ」

アフロの髪型をした土方が先頭きって踏み出す。

「ターミナルいって何するつもりだ?」

「何もしない。なんなら同行してもらっても結構だけど」

真選組が心配するようなことはしない。

人を殺すわけでもなし。ターミナルを爆破させるわけでもなし。

「人質として、か?」

嘲笑う土方。別に人質としてって訳じゃないのだけれど。

「たとえその気がないとしてもだ。凶悪殺人犯をターミナルに行かせる訳にはいかねえ。

万事屋、邪魔するならテメェもたたっ斬る!」

その合図と共に土方は抜刀。

周囲の真選組隊士も刀を抜いた。

「銀ちゃん、真選組食い止められる?」

「オイオィオィ、冗談きついぜつかさよー」

真剣と木刀。

多勢に無勢。

いくら銀ちゃんでもさすがに無理だということは分かる。

もしかしたら、と訊ねてみたがやはり無理か。



「けどよ」


胸が高鳴った。

銀ちゃんの瞳の奥で何かが燃えていた。

「俺一人だと無理だけどな生憎つれと待ち合わせしてたんだわ」













「銀さん!」

「銀ちゃん!」

[*前へ][次へ#]

12/19ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!