嵐よ吹き飛ばせ、そして…
数人の手が差し伸べられた
「捕まえろぉおぉぉ!!」
「逃がすな!こっちだ!」
幾つも重なる声。
背後を列にし、追いかけてくるはターミナルを警備する人たち天人たちそして真選組。
人が多いのが幸いしたのかその距離は縮まることなく進むことが出来た。
「うらぁ!」
たまに前方から捕まえようと飛び出してくる者もいるが、佐助が手刀で急所を突き気絶させる。
子供の姿である政宗たちも、子供とは思えない脚力で走り続けたり、と驚愕の姿を見せる。
「伊達に筆頭やってるわけじゃねぇぜ!HAHAHA!」
自慢げに叫ぶ政宗はその短い足で横から飛び出してきた男の股間を蹴り上げる。
筆頭ともあろう存在が同性の股間を蹴り上げる事しちゃうところが凄い。
同じ男だったら自分の股間抑えちゃうほどの勢いだ。
「おいつかさ、どうして股間を押さえてんだ?」
元親が速度を落とし私に合わせる。
無意識に股間を支えるように隠しているのに気付いた私は乾いた笑いをあげ、はずす。
「ははははー・・・そういう事言うチカちゃんこそ股間抑えてますがっ〜??」
元親も無意識に抑えていたらしく、ゆっくり手をはずし空笑い。
「はっはっはー・・・・・・仕方ねぇだろっ。つーかチカちゃん言うな女みたいだろ!」
「今の姿、男って言わない限り女にしかみえないっすよー?チーカーちゃーん♪」
「チカちゃん言うなー!」
「貴様ら無駄話などせず走れ!」
一番遅い元就がそのやりとりに終止符をうつ。
「一番おそーいナリちゃんに言われたくないな〜」
「我を愚弄するかっ!?」
「だってだってー、元親より!遅いじゃん?ダメダメだねナーリちゃーん!」
「今に見ていろ!我がそこの馬鹿を抜かしてやろうではないか!」
青筋を浮かべながら速度を上げる元就。
元親はそれに恐怖しさらに速度を上げる。
元就は元親と共に先頭の次に走る政宗の所まであっとういまに走ってしまった。
「おー、さっすがー♪」
佐助は強いし気配りも凄いからおもりしながら突き進めるだろう。
おそらく戻るための道をつくる際に時間がかかるだろう。
方法は知っているが私はどうすれば地下にある力を汲み上げれば良いのかわからない。
だからこのまま逃げながらターミナルに着いたとしても道を開こうと行動に移した時につかまる。
――――何かしら対処しなければならない。
かといって対策は浮ぶわけも無く。
「―――――うわっ」
思考にはまり過ぎた私はつまずき転んでしまう。
チャンスといわんばかりに襲ってくる警備員たち。
―――――万事休す
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