嵐よ吹き飛ばせ、そして…
始まりは
―――私は武士家の端くれ。
武器は少し下手だが、素早さが大きいため技力はなかなかのものである。
といっても、私は指名手配犯だ。
なぜかというと、実の親、その他の人間を無残にもバラバラ肢体にしたからである。
別に後悔していないから良い。
私は汚くて救いようの無い現実を知ることが出来たのだから。
今日も、いつものように真選組から逃げていた。
「つかさぁぁあぁぁ!」
同級生の名を呼ぶかのように大声を出しながらこちらへと走って向かってくる。
鬼の副長土方の傍らにいた一番隊隊長沖田がバズーカを吹っ飛ばしているので周囲は爆煙だらけである。
爆煙から脱出するとすぐ隣から攘夷意志をまとめる桂が姿を現す。
「あ、どーも」
「あ、奇遇ですね桂さんも逃げているのですか?」
「ぁあ・・・街中で騒ぎは起こしたくないからな」
と、懐から時限爆弾を取り出す。
「騒ぎを起こしたくないというよりも、その爆弾の巻き添えくらいたく無いだけですよね?絶対そうだからですよね!?」
私の必死な叫びにも対応せず桂さんはその爆弾を爆煙の中へと放り投げた。
「うぬ、スピードをあげるぞつかさっ!」
「っっざけんなぁぁぁぁ!!」
まず足蹴りを後頭部に食らわせてそのまま猛ダッシュ。
街中で爆弾なげる奴がいるか!?
いや、いたよここにさぁ!!!
鼓膜が破れないように耳を塞ぎ前へ、前へと走り出す。
背後から爆発音が聞こえ――――
この距離では熱風が届き、私の身体を前方へと吹き飛ばすのであった。
それが事の始まりだったのかもしれない――――
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