「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 朝餉を食べる俺含め三人は頭に巨大なコブできていた。 どうして俺も巻き添えを食らわなきゃならないのか。 どうみたって悪いのはしげで、政宗さまだっていうのに。俺は悪くないってのに。片倉さんの馬鹿。 心の中で吐かれる気持ち。次の瞬間ギョロリと怒気のこもった視線が俺に向いて身を縮める。 何!今の?!もしかして俺の心の中読んだの?!読めるの?!読心術ですか!?そうなんですか!!!? 無駄に長く米を噛み続けできるだけ視線を合わせないようにした。米だけをみる。そう。米だけを。米だけを。米だけ―――。 「成実ぃ!つかさの膳に嫌いなもの置くんじゃねえええええ!」 かっと見開き青筋を浮かべた片倉さんが叫んだ。 隣で「ひい!」と悲鳴をあげるのはしげでよくよくみれば惣菜の皿に一人分とは思えない野菜が山盛りとなっていた。 俺はしげを睨みつける。 「ケホン・・・・・・しげ。好き嫌いしちゃ、いけないんだよ?」 「や、だって、その・・・」 山盛りになった野菜を箸でつまみ上げ、しげの口元へと運ぶ。 「ほらほら、あ―――――ん」 笑顔でそういう俺は笑いを堪える。 しげの向こう側の政宗さまがご飯粒とともに噴出していた。それをみた俺もほんと、爆笑したくなる。 「・・・・・・・・・・・・・・え、なにこれ。俺、とうとうつかさにまでいぢられるの?」 「じゃあちゃんと食べてよ。」 と俺の嫌いなおしんこうのはいった小皿をシゲの膳においた。 「・・・・・・・・・・こじゅーろー、つかさがー」 棒読みで片倉さんを呼ぶしげ。 朝飯を粗食していた片倉さんがまたもやぎろりと俺を睨みつかせた。 そのにらみといったら本当に、蛇に睨まれたかえるの様に、恐ろしいものでぎこちない笑顔で膳に置いた小皿を手に取り 「わー、おいしー」 と嫌いなおしんこを口の中へと押し込んだ。 ああ。不味い不味い不味い。超不味いよ。なんで不味いの。こんなにも不味いよ。うわあん。 そうして、俺にとってはなんらか変わりない日が続いていく。 [*前へ][次へ#] |