※色物パロ
※鬱設定
※甘さのかけらもないです。
※パロすぎてもうオリジナルの域
※何が来ても大丈夫って方のみどうぞ。
朝来て自分の机に座り。
パソコンを立ち上げ少しの時間予習をしようと手を伸ばした瞬間それは訪れた。
「土方、来い」
担任の顔が嫌に暗かったことだけは、覚えている。
この中で、僕等は。
「何すんだコラァ!離せや!」
「煩せェ黙ってろ!!」
とんだ暴言を吐かれ背中を蹴られる。
土方は転げる様に鉄格子の中に入ってしまった。
振り向くともう遅い。ガシャンと重苦しい音を立てて鉄格子の扉が閉まった。
土方はそれを見て愕然とする。
何故だ。何故この俺が、こんな牢屋に入れられなければならない?
担任に呼ばれ高校の玄関に着いた途端連行された。
どこに連れて行かれたかは分からない。パトカーの窓全部に黒い加工がしてあったからだ。景色が見えず数分。外に連れ出されても顔を上げることは許されない。無理矢理下を向かされ建物に入り、無理矢理歩かされ鉄格子がみっちり詰まった部屋に連れて行かれた。
蹴られた背中が痛い。
分からないことだらけで発狂しそうだった。自分を鉄格子の中に入れた張本人は速足でこの場を去って行く。もうどうすることもできない。
土方は有名校の一員だった。
トップクラスの成績を持ち、家は裕福。もちろん犯罪など犯したことなど一度もない。真面目な性格をしているし、クラスでも結構な人気者だった。
―そんな俺が、どうして。
震える手をもう片方の手で押さえ、情けなくも冷たい床に座り込んだ。
刹那。
「何でェ」
耳に飛び込んできた。
人の声だ。
男・・・いや少年の声。
「・・・っ」
恐々後ろを振り返る。
暗い牢屋の奥。明るい茶髪が目に飛び込んできた。
「、」
「何でェ、やけに綺麗な奴が入ってきたじゃねェかィ。小汚ねェ親父じゃねェのか」
心配して損したァ、と生意気な口調でそいつは溜息を吐いた。土方は目の前の茶髪を睨む。
「んだよ、何だお前」
「それはこっちのセリフでさァ。アンタは新人なんですぜ?先輩には敬語を使え」
「は?・・・お前は前からここにいるのか」
「? うん・・・あぁ!」
土方に問われ茶髪は目を丸くして両膝を叩いた。分かった!とでも言いそうに口には笑みが。
「アンタ、今の状況知らねェな?」
「何だよ、・・・いきなり連行されてここに入られたんだ。知るはずねェだろ」
「ふふ、シンセツな俺は教えてあげまさァ。アンタ、社会不適切人間と見なされたんですよ」
「 」
ドッと心臓が大きく跳ね、頭が真っ白になる。
不適切、人間。
「・・・何だそれ」
「邪魔なんでさァ。この独裁国家には、アンタがね。かく言う俺も・・・」
「何で俺なんだよ!!」
ガンと鉄格子を叩く。
その行動に何の意味もなく、ただ虚しく右手の痛みが広がった。
「・・・ま、別に重労働させられる訳じゃねェ、気楽に行きましょうや。当分二人きりなんだし」
「・・・」
右手の痛みが治まらないまま、土方は辺りを見渡した。狭いそこには簡単なベッドが二つ備え付けられており、右手にドアが見えた。どうせ出口ではないんだろうなと思いつつ土方は目の前の彼に目を向ける。
「ふふん、名前知りたいですかィ?」
「・・・別に」
「沖田。沖田総悟でさァ」
「・・・土方十四郎」
「土方さん。よろしく」
暗い牢屋の中、沖田の笑顔が明るく見えた。
土方は何も返事ができず、沖田が座っていない方のベッドに腰掛ける。・・・固い。ここで寝なければいけないのか、と思うとさすがに涙腺に響く。グッと堪えたが。
「自分が何でここに入れられたか、お前・・・沖田は分かるか」
「うーん・・・しいて言えばアンケートですかねィ」
「アンケート?」
顎に手を添え沖田は空中に視線をやった。その目はくっきりと綺麗に二重になっていて、土方はその目を見つめる。こちらを向き沖田は続きを話し始めた。
「うん。高校で行われたアンケート。正直に書きなさいって言われたから、正直に書いただけなんでさァ。ちなみに全部イエスでした」
「どんな内容だ?」
「学校を放火したくなったことがありますか。他人に暴力を振るうような妄想をしたことがありますか。自分は人を痛めつけることに対して快感を感じま・・・」
「おいもういいわかった十分だ」
土方は顔を青くし沖田の言葉を遮る。
と同時に自分はとんでもない奴と同室になってしまったんじゃないか!?と恐ろしくなった。
「やですよ。ただの妄想ですぜー?別に俺同級生いじめたことなんてないですし、これでも、結構頭良いんですぜ」
「そ、そうかよ・・・」
「・・・でも、学校の休み時間、結構皆で学校燃やそうぜ計画してましたけどね」
「は!?」
「うーん、そいつら皆イエスって答えなかったみたいで。社会不適切人間はクラスで俺一人。白状もんですよねィ」
あはは、と少し悲しそうに沖田は笑いグッと延びをした。土方の視線に気づき、沖田は吹き出す。
「ぶっ」
「あ?何だよ?」
「その顔ー!やめてくだせェ。・・・土方さんが辛そうな顔しなくったっていいんですぜ」
「・・・」
そんな顔をしていたのか・・・?と土方は気付き、無償に恥ずかしくなった。
慌てて俯く。
「この部屋、二人部屋なんでさ。俺の次に入ってくる奴、なかなかいなくて。土方さんでよかった」
「えっ」
「親父とかだったら嫌じゃないですか。俺襲われちゃう」
「・・・冗談言うな」
「ふふ。俺の話を真剣に聞いてくれる人でよかったぁ」
ここは牢屋なのに。
明日から、これからどうなるのか分からないのは沖田も同じなのに。
それなのに、
土方を見て幸せそうに微笑む。
そんな沖田をばっちり視界に収めてしまい、土方は
どぎまぎと胸が熱くなるのを感じていた。
***
色物パロすみませェェェェん
総悟のドS設定を生かしたいがために生まれた作品
ラブチョリス編見て、結構総悟って普通に危ない奴なんじゃ・・・?と思って、すみません
補足
・2×××年。未来設定。独裁国家。
・右手のドアはトイレ。
・土方は高二。沖田は高一。
・冬が終わる一歩手前の時期。
鬱脳で考え出した結果です。タイトル鬱牢屋にしようと思ったけどさすがにやめた
甘さのかけらもなく本当に申し訳ない。・・・これ更新していいんだろうか・・・
無料HPエムペ!