(続きです)
「耳!」
「耳ィィィ!?」
沖田は震える腕を上げ指を差した。確かに土方には艶やかな、真っ黒い猫のような耳が生えていたのだ。
よく見ると背中にも何か黒く長いものが揺らいでいる。これはもしかしてしっぽだろうか?沖田は笑いだしそうな口を自分の手で塞いだ。
「ぶっ」
「笑ってんじゃねェ!!」
土方は真っ赤になり沖田に向かって怒鳴りつける。それを言うのなら、沖田だってそうなのだ。
「お前こそ生えてんだよ!」
「ええ!?」
慌てて沖田は両手を頭の方へ持って行った。ピクピクと震える柔らかな感触。よく寺などで一緒にじゃれたりするので分かる、これは猫の感触だ。
「ネコミミでさァ!?」
「おうよ!」
もう高杉を追いかけている場合ではない。
このような姿で屯所を出たら皆の笑いものにされる。それだけは避けたい。
「うわっズボンの隙間からしっぽまで生えてらァ!」
「とりあえず総悟部屋に入れ!」
「へ、へい!」
あたふたいい歳した二人がよろけながら副長室へ逃げ込んだ。もちろん障子もきっちり締めて、だ。
「何だよこれ何でこんなことできんのあいつ!?」
「まさか・・・まさか高杉の奴・・・魔法使いだったなんて」
「えっ考えそこに行き着くの!?」
愕然とした表情の沖田に土方がつっこむ。ぜぇ、と息を吐き土方は肩を落とした。疲れ果て、畳に行儀悪く寝そべる。
「せっかく捕まえるチャンスだったのに・・・」
「ひじかたさん元気だしてくだせぇ。耳がたれてますよ」
「うるせェ」
「きっともとにもどりまさぁ。だいじょうぶですって」
「・・・」
ぴくりと片耳を立て土方は沖田を見つめた。
とたんにおかしそうにくすくす笑う。
沖田は目を丸くした。
「何でぃ」
「お前も耳たれてんだよ」
「えっ!?」
「無理すんな。内心、心配で仕方ねェのに大丈夫なんて言うなよ」
「・・・」
寝転がり沖田を見上げ、土方が微笑んだ。
それを見た沖田の耳がさらにへにゃ、と垂れてしまう。安心する心地よい、優しい言葉にどきどきしてしまった。
「くく、分かりやす」
「う、うるさい、」
「しかしどうなってんだろうな、これ」
思い立って土方は、沖田のしっぽに手をやった。
突然の行動にびくり、沖田の身体が思い切り跳ねる。
「に、あ!?」
「!?」
「にぁ、だめれさ、さわんないでぇ!」
「え!?」
思いのほか嫌がる沖田に土方は固まる。何だ、この反応。
「つ、つけねが、つけねがむずむず、する、」
「何、猫のしっぽって性感帯なの?」
「性感帯言うな、あ、あ、」
強弱をつけて土方がしっぽを引っ張るので沖田はたまらない。
身体を震わせ熱い息を吐き出した。
「あ、そぶな、に、にゃーん!」
「にゃんておま、」
するするしっぽのつけねへ移動するように土方の手が動く。それに反応してしまいのどの奥から甲高い声が出てしまった。そのままそれは猫の甘える鳴き声へと変わる。
「に、に、」
「そんなにいいのか?」
「っ」
全身を固くし沖田はこくこく首を縦に振った。まるで愛撫をされている時の様。気持ちがよくてたまらない。
「こっちは?さっきから立ったり垂れたり忙しいけど」
「はぅん」
それまで寝転がり好きなように沖田のしっぽで遊んでいた土方が起き上がる。
しっぽを触っていた手で、今度はぱたぱた動く耳に触れてみた。
「あぁ、ぁ、ぁ、あ!」
「きもち?」
耳の中側に親指を差し込み土方はすりすりと外と中を刺激した。薄い皮膚の皮を擦られ、沖田は大げさなくらい身体を跳ねさせる。
「いや、いたい、いたい、」
「あ、痛いの?悪りィ」
「ちが、いたいけど、きもちい、しないで、して、わかんにゃ、にゃぁぁああ」
「お、落ち着け!」
「もうらめれさァァァァたっちゃう、たっちゃう」
「えええええまじか!」
わなわなと沖田の足が上がっていく。それを見て相当な快感だと土方は確信した。
まさか、耳としっぽでここまでそうなるなどとは思わないだろう。少々申し訳なく感じながら土方は沖田をゆっくり押し倒した。
「!」
「わり、責任は取るから」
「土方さん・・・」
沖田の喘ぎ声を聞いて正直先ほどからたまらなかった。土方ははぁ、と熱く息を吐き出す。
そんな土方を見て沖田は胸の奥が高鳴った。自分の、こんな情けない姿を見て興奮してくれるこの人がたまらなく愛しい。
そっと土方の頭に生えた耳に手を伸ばす。
「に、!?」
「ここ、きもちいでしょう?ふふ、土方さんがにゃんて言うのは想像できねぇなぁ」
「い、言うかよ」
もごもご口を閉ざしながら土方は恥ずかしそうに視線を逸らした。
「お前が言うからかわいんだろ?」
「・・・にゃん」
「ク、鳴けよ、もっと」
薄暗い副長室に、甲高い猫の泣き声が響く。
「にゃーん、にゃーん、」
「総悟、かわいい」
「にゃ、ひじかたしゃ、しゅき」
副長室は夜中愛くるしい鳴き声でいっぱいになった。
まいんどおらくる?
(にゃんにゃんにゃん!)
***
まじすみませんでした(特にタイトル
分かった方お友達になってください
あと何か・・・高杉は・・・魔法使えそうだなって・・・まじすみませんでした
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