※兄弟パロ
※総悟が本当に阿呆です
※土←←(略)←←沖くらい
※トシ出てこない
※総悟がトシを好きすぎて気持ち悪いです
※すみませんでした
「えー、お前は今中学三年生で、一応早目に進路決めないといけねんだよ。分かるか?」
「そこに書いてあるじゃないですか」
ジュエリー
少し日が傾きかけた午後四時半に、二階の第三教室で二者面談が開かれていた。
適当に向かい合せになった机を挟み、教師と生徒は話し合いを始める。普通ならば緊張するばずのその空間。しかし生徒、総悟の顔にはそれらしき感情は浮かんでいない。
「や、っつってもお前・・・」
「へい」
総悟の担任、銀八は困惑の表情を浮かべながら机と机の間、ぽつんと置かれた紙を眺める。その紙にはでかでかと『進路希望』と書かれていた。
三つに枠が区切られていて、希望する進路を書くのだ。それは第三希望まで書くことができ、少なくとも、三つは高校なり職種なりを書かなければいけない。
しかし、沖田の場合は。
「トシ兄のお嫁さんvってお前・・・・・・」
「えっ、何か問題でもありますかぃ」
問題だらけのその第一希望。
本人はいたって真剣らしく、目を丸くして身を乗り出した。紙を見直し、漢字の間違いなんてねぇよな、と独り言を言う。いや、そんなんじゃねェよ。
「だいたいおかしいだろォォォ!この世のどこに兄ちゃんのお嫁さんになりたいやら言う中学三年生(弟)がいますかァァ!」
「やでぃここにいますぜ」
「だから大問題だっつってんの!」
ばんと激しく机を叩き銀八は総悟につっかかる。
しかし大問題はそこだけではないのだ。第一希望を却下して第二希望の話をしようとしてもそうはいかない。全く目の前のこの男、ひょうひょうとしていて掴めないものだ。
「三枠全部希望お嫁さんて・・・気持ち悪いわ」
「その気持ち悪いのが俺の兄への愛なんでぃ。分かってくだせぇよ」
「分かりたくないわそんなもん!」
ばしんと机を叩き銀八は話を続ける。そんな担任に動じもせずに総悟は自分の胸に手を当て愛だのなんだの口にした。
・・・何故だ。
クラス全員にアンケートを取り、これまでは順調に話が進んでいたはずだ。何故こいつの番になるとこうも時間が無駄にかかる?
「馬鹿だからか・・・そうか」
「あっ、トシ兄だァァァァ今日はランニングですかぃちょうかっけぇ」
「聞けやァァァァァ」
悪口とも言える銀八の言葉を完全無視し総悟は窓の外を見つめていた。ほうとため息をつき世界でたった一人の兄弟、十四郎を目で追う。
総悟の中学校は十四郎の通う高校の隣だ。
もちろんグラウンドも隣合わせになり、今居る教室は高校と一番近い校舎。
部活をしている兄を眺めるのに、とても良い場所だった。
「先生たまには気がききますね。ああ、トシ兄がこんなに近い・・・」
「たまたまに決まってんだろ。ってか、マジ?マジなのお前」
「一万年と二千年前から愛してますぜ」
「・・・マジなのね」
真顔だがきらきらしている総悟の瞳を見て銀八は確信する。冗談だろう、という淡い期待がはじけ飛んだ瞬間だった。
「・・・お前、」
「はい?」
「・・・よく考えてみろ、・・・これでいいのか?」
「・・・、?」
急に銀八の声が真剣になり総悟は振り向く。
さっき叫んでいた時と大違いな声色。兄の部活姿を見ていたかったが、不思議に思い銀八へと体を向け直した。
「お前は、中学を来年で卒業する」
「へい」
「そして、そのまま兄のお嫁さんになるのか?」
「そのつもりですが」
「考えろ。その時兄はまだ高校三年生だ」
「二つ離れてますからね」
「・・・・・・兄と高校生活を共に過ごせなくていいのか・・・っ!!」
「!!!!」
雷が落ちたような衝撃だった。
早く兄のお嫁さんになりたい、なりたいと小学生の頃から願い、義務教育が終わるこの時まで待っていた。
それが、今、すべてガラリと色を変えた。
総悟はぎゅっと胸を抑えつけ、そして、
「その発想は無かった・・・」
ゆらり、椅子から転げ落ちそうになる。
「馬鹿だろうお前」
「うるっさい」
冷やかな担任の視線を全身に受け総悟は震えた。
こんな大事なことを教えてくれたのだ。いくら馬鹿にしたような目で見られても、先生には感謝をしなくてはならない。
「ありがとうございやす先生・・・!じゃぁ第一希望は隣の銀魂高校で」
「よしいっちょうあがり」
総悟はカリカリとプリントに第一希望から第三希望までを書き直す。もちろん全部の欄に「銀魂高校」と記入して。
「ま、高校で習うことは沢山ある。花嫁修業とでも思うんだな」
銀八はクールにそう言った。
血の繋がった兄弟で恋をしてしまう。こんなものが許されるのか、と最初は正直気持ちが悪くなったが、ここまでまっすぐな総悟を見ていたら考えが変わる。
まぁいいか。これもきっと愛なのだ。
「あ、うそ、こっち気が付いたっ、トシ兄笑ってまさ、どうしたらいいんですかぃこの気持ちィィィィィ」
「聞けよ」
せっかく恰好よく決めた銀八のセリフが、第三教室に溶けて消えた。
***
すみません←
すごい楽しかったです、すみません
受験の季節ということで、あえてどこを選ぶか悩んでいた時期を書きました
とことん残念な沖田ですみません
結局兄ちゃん出てこなかった・・・!書く機会がまたあれば、出したいです
本人全然悩んでないですね、すみません、受験生の皆さますみません
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