(総悟が変態)


土方はたいへんな秘密を知ってしまいました
(誰の秘密?あの沖田の秘密だよ!)













もう冬に近いのに何故か今日は温かい。
そんな温かい空気に惑わされたのか沖田は、うとうとと副長室で眠りそうになっていた。

相変わらず書類だらけのその部屋で、土方に寄りかかりながら船を漕ぐ。
心地よいなぁとふわふわした気分ですり、と腕にすり寄った。

どきり。

土方は肩を強張らせる。こんなに沖田にくっつかれるのは幼少時代以来だ。
あどげない表情、無防備なその姿。
伏せた目を覆っている、綺麗な睫毛に胸が高鳴った。


そのまま抱き締めてしまえたら。


・・・何考えてんだ俺、とその考えを吹き飛ばす。
しかし吹き飛ばせたのは今吸っている、煙草の煙だけだったらしい。まだ消えない、左胸の鐘が。
突然襲ってきた欲望に、戸惑う。

「(おいおい・・・俺、そんなに溜まってたっけか?総悟相手に欲求するなんてよ)」

土方はたしかに沖田を求めていた。
心臓が煩いし、今日が温かいからといって、こんなに体温は上昇するもんではないだろうから。
やけに色鮮やかに見える唇に目がいく。
吸い付いて、蕩けるようなキスがしたい。


「くそッ、」
「えっ」

そこまで思考がいくと止まらなかった。
驚きで薄く開いた口にかぶりつく。
いきなりで申し訳ないと思ったが、勝手に舌が動く。

「んっ、んんっ!?ふぁっ、ぁっ」
「ん、はぁ、総悟」

小さな顔を両手で包み込んだ。
でこ同士をくっ付けさせて、至近距離で見詰め合う。

「な、な、何っ、いきなり何すんでぃ!」
「黙れよ」

今度は優しく触れるだけのキスをした。
ちゅ、と優しく吸ってやると沖田の身体が震える。
何度も何度も、同じことを繰り返す。
次第に沖田の足がもじもじしてきたのを見て、土方はくすりと笑みを浮かべる。

「わら、わらうなぃ・・・」
「ワリィ。だって、感じてくれてるから」

ぺろりと唇を舐めてやるとぎゅうとつぶった目から光るものがこぼれ落ちた。
・・・涙だった。

「総悟・・・ごめん、嫌だったか・・・?」

やっぱりいきなりのキスと抱擁にショックでかいらしい。
そう考えた土方は素直に謝った。だって、こっちに非があるのだ。勝手に欲情して、勝手にキスをして。
・・・沖田は悪くない。

「ち、ちが・・・びっくりして、きもちよくて」
「・・・!」

いやじゃ、ないです。

そう言いぽっと頬を赤く染めた。
駄目だ、そんな顔をしたら、

「そんな・・・顔されたら、我慢できねェよ・・・」
「っ、ひじか、」
「好きだ」

とん、と畳の上に沖田を押し倒す。
止められない、止められない。
好きだと、こんな急に言われて困るだろう。総悟、ごめんな。

「お、おれ、も」
「え・・・?」

「好きでさっ」

きゅうと背中に回された腕。総悟?好きだって、え?

「俺が・・・?」
「・・・」

真っ赤な顔でこくりと頷いた。
とたんに嬉しい気持ちが爆発する。
壊れそうなほど強く、強く、抱き締めた。


「ひじかたさん、おれうれしいでさ」
「うん、俺も、うれしすぎてどうにかなりそうだ」

幸せに浸るが欲求は捨てられなくて、するりと沖田の太ももを撫でる。
左手で起用に帯をはずしたら、さすがに沖田が声を荒げた。

「やっ!ひじかたさっ、だめでさ!」
「駄目じゃねェだろ、イイこと、しようぜ・・・?」

と余裕たっぷりで囁くと、とんでもないものが目についた。




くろ。





「く、黒かよ・・・」
「や、やぁっ」

りんごのように真っ赤な顔を両手で隠して沖田は横を向いた。
何がって、パンツが黒だったのだ。しかも

「てぃ、ティーバック・・・?いや、そこまでないか、でも、」

え、えっろい下着!
尻の半分まで見えているそれは、キュートな沖田にお似合いだったが、童顔な顔とあまりにもミスマッチだ。
・・・ミスマッチすぎる。

「またなんでこんな下着つけてんだお前・・・」
「う、ふぇっ」

恥ずかしくてその下着から視線をそらす。
そらした先の沖田の顔を見てみると、いまにも爆発しそうな顔で、恥ずかしそうにしていて、目にはこれでもかというくらい大粒の涙が詰まっていた。

「に、にあっ、にあわない?」
「いや・・・すげェ似合うけど・・・かわいいけど・・・」

まさかそんな趣味があっただなんて、知らなかっただけなんだ。

「インターネットで見つけてっ、興味、あって、男用って書いてあったん、でさ・・・」
「へ、へぇネットには色々なものがあるからな」

動揺を隠して沖田に話に耳を傾ける。
・・・つうかおま、どんな怪しいサイトに行ってんだよ。

「それで、ちょっとはいてみて、へ、へんたいだって、自覚してまさ・・・」

とうとうしょぼーんとうつむいた。
いやいや、男相手に昼間にいきなり欲求した俺も相当変態だと思うぞ?土方は遠い目をした。


「・・・・・・」
「あっ!?」

手を伸ばして黒い下着に触れてみる。
中のモノはしっかりと反応していて、少し嬉しくなった。
こうなったらもう開き直りだ。二人一緒なら、どこまでも!

「や、やん、このパンツ、薄いから、感じちゃ、」
「ク、もっと乱れろよ」

やわやわと揉むと甘い声が上がる。
だんだん声が高くなっていって、かわいいと素直に感じる。

「ほんとおまえ、かわいいなぁ・・・」
「ふぁん、」


かわいく乱れる沖田を胸に、今だけは、書類のことなど忘れてしまおうと思う土方であった。












あとがき(11/15追加
すみません・・・
なんか・・・黒い下着はいてる総悟が頭の中に出てきたんです(末 期
えろすぎ!とノリノリで書いてしまいました
本っ当すみません楽しかったです←










(おまけ)
「また、あのパンツはいてえっちしやしょう・・・?」
「!!!」



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