※激甘注意!

リバっぽいですがこれは土沖です。すみません。








布団の中で目を覚まし、しまったと顔をしかめた。嫌に寒い。

沖田はくるりと布団にくるまり一人考え事をする。やっぱり、一昨日の休みの日にヒーターでも出しておくべきだったか。いや、でもその日は万事屋の旦那と新しくできた甘味所に行ったりして予定がいっぱいだったのだ。押入れを探る暇も無かった。仕方がない。…だがそれにしても寒い。しまった。

今日のシフトは九時からだ。しかし寒い秋にぱっちりと目が覚めてしまった。もう起きよう。暖かくして、それからどうしようか…。

「……土方さん。」

そうだ。いいことを思いついた。






「土方さァァァん、寒みぃよぅ!」

スパァンと副長室の襖を開き沖田は土方が寝ている布団にダイブをした。土方にとっては知ったこっちゃない台詞を吐きながら丁度こちらに背を向けて横向きに寝ていた土方の背中にタックルをかます。たまらず土方が振り向いた。

「ぐっ、…総悟てめ、痛ェだろが…!」

「寒い冬がいけないんでさぁ」

布団越しにぎゅうぎゅうと土方を抱き締めればはぁぁっと大袈裟な位に大きなため息を漏らす副長。でも知っている。沖田は知ってしまっている。嫌な顔をしたり、溜息を吐いて眉をしかめるそれは本心ではないのだ。心の中のどこかでは、嬉しいと感じているのだ。土方は素直じゃない所があったりする。

「嬉しいだろぃ、朝っぱらからこの俺がかまってやってるんだからよぅ」

「はいはい、分かったから身動き取れねェ。離れろや」

「……」

片手をひらひらと振りながら土方は沖田を引き剥がそうとする。その行動に沖田はむっと顔をしかめるもそれはすぐに驚きの表情になる。器用に身体を半回転させ土方は沖田を真正面から抱き締めてきたのだ。

「どうせなら、こっち側から抱きついて来い」

「……土方さん」

暖かな胸板に安心する。土方の腕に自分の身体がすっぽり収まりはふっと息を吐き出した。暖かい。着込んで土方の部屋へ向かったが、まだ寒かったのに。とても暖かい。

「俺を何回惚れさせたら気が済むんですか滅びろ土方」

「惚れてるのにその暴言!?」

「あーあー土方の性が沖田になればいいのに…って意味でさぁ」

「…っに、言ってんだてめ…!」

「照れないでくださいよ。こっちまで照れちまう…」

「照れてねェよ!」

口調を荒くさせ先程よりも強く抱きしめてくる土方に思わず笑ってしまう。こんな自分の冗談も、全て本気に受け取るからこの人は面白いんだ。
土方の胸に顔をうずめ、にやける顔を隠しながら抱き締め返す。幸せだ。

「今日のシフト、総悟は昼からだっけか?」

「んーん。九時からでさぁ」

「…久しぶりに巡回一緒にすっか。」

「!!」

慌てて土方から少し離れ、顔を見つめる。信じられない言葉が聞こえた。副長と巡回なんて、なんて久しぶりだろう。

「おっ、俺、土方さんと巡回してぇです!」

「おー。そりゃよかった。」

伏目がちに沖田を見て、土方は大きな掌を使い頭を撫でる。なでなで、と感触を楽しむ様に撫でられ沖田は顔が熱くなった。フッと軽く微笑むものだからたまらない。


「んじゃ、まだ時間あるし。ごろごろしてるか?」

「へーい。眠ったら起こしてくだせぇ」

「…眠らせねェ。」

「え?」





案の定九時ギリギリに身支度を終わらせた二人は、朝っぱらから……と自己嫌悪に陥りながら巡回を始めるのだった。






Thanks!「ちょこまじ☆ろんぐ」
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オチ=ガヒドゥオイ(19XX)
ほんとう酷いよこれ。いちゃいちゃをもう少し詳しく書きたい気もするけどそれはやめておきます…!


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