※土→沖

注意書き

※少し注意な文…とも言えない下書きのようなモノ
 えろでも何でもないです
 シリアス。









スッと沖田の顎を掴み、土方は言った。

「ね、総悟、駄目?」

「え、え、い、いや」

その言葉に沖田は首を振る。顔は見るからに怯えていて、ゆらゆら瞳が揺らいで滲んだ。

「どうしても?…だったら何で、逃げねんだよ」

土方は少し笑みを見せ、沖田に問いかける。
同じ男に押し倒されている状態なのだ。蹴るなり殴るなり、暴れてでも逃げたいはずだろう。それなのに、今の沖田は怖いくらい大人しかった。

「こ、腰が、抜けて、逃げられないんでぃ」

びくびく、震えながらも沖田はそう口にする。そうか、先ほど少々脅したのが悪かったか。腰が抜けるほど、俺が怖いのか。
土方はそう納得し、柔らかな笑みを浮かべた。

「ふ、そうか、可愛いなァお前」

あまりにも目の前の部下が可愛い。思わず沖田の頬を撫でる。自分でも不気味なほどにその手は優しげに沖田を触った。

「黙りなせぇ…ってか本当にやめて…嫌、だから」

ガタガタ肩まで震えだし、土方は少々たじろぐ。…困った。先ほどから口説いているのに、どうして沖田はこうも頑固なのだ。素直になればいいのに、いや、それとも、本当に、本心から嫌がっているのか?

そう考えたら土方の胸がつきり痛んだ。
好いた相手から拒否されるのはこんなにも悲しい。

「…そ…どうしても、か?」

自分の肩が下がるのが分かる。それを見て、土方がしょげたことに気付いたのか、沖田はハッと土方を見た。目は丸く、驚いている。

少しの間が開いて、沖田はやっと口にした。

「…どうしても…って…言うなら…」

「うん」

思い切った様に、こう言った。


「さ、3万円払いなせェ」

「…!」

「だったら、抱かれてもいい、ですぜ」

見る瞳は怯えていた。
けれども、しっかりこちらを見つめていて。
…そうか…、
土方はゆっくり呼吸をした。

「…、分かっ…た」

「え」

「ちょい待ってな」

「え え土方さん?」

「ん?」

サイフを取り出そうと沖田から離れていく土方に、沖田は慌ててその手を伸ばす。
掴んだ土方の隊服。くいと引っ張られ、しわが目立った。

「何…本気にしてんでぃ、だって、金、払うの?土方さんが?」

信じられない、と言っている。瞳がそう告げている。呆れられたのだろうか、と思いながら土方は口を開いた。

心を。


「だって、それでお前が抱けるなら」


「―、」


本心を。

「なァ総悟。俺は何をしたらいい?金ならやるよ。あるだけ全部。それと何がいい?何が欲しい?…全てを賭けてお前が欲しい」 

全て

全て

「…」

「総悟」

隠さずに。



「…   馬鹿でィ」



見せたそれは、あまりにも醜いモノだった。




***
!?
シリアスになってしまった…これ最初思い切り指定付けるつもりでした。書いてったらすげぇシリアスになって終わってしまった…えろに持っていけない私…
そして珍しく土方が報われないっぽいですね。きっといつかは届くよ。


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