土←沖

恐ろしいほど短い






目の前土方さんが机につっぷしている。
副長室にある少し大きめの机だ。そして片手にはビールの缶が。


「土方さーん」


呼んでもびくともしない。
むしろすやすや寝息を立てて目をつぶっている。完璧に泥酔していた。
いや、正直に言うと泥酔ではないのだが。え、じゃぁ何だって?

ごめんなせぇ、土方さん。実はその缶に睡眠薬盛っちまいやしたー。

「ふふ、寝てる寝てる」

無造作ヘアーの黒髪に手を通し、好き勝手遊ぶ。土方さんの髪の毛は固めで、ちくちくしている。俺の髪とは大違いだ。
だからこそ、自分と違う髪質が愛しい。

「ん」

そっと近寄りキスをした。
夢にまで見ていた土方さんの唇。暖かい。嬉しい、どうしよう、幸せだ。

「はぁ、止まんね」

そっと髪を撫でながら、触れるだけを繰り返す。
土方さんの寝息が熱い。今は睡眠薬のおかげで眠っているのだけれど、ビールの前に焼酎とか結構お酒を飲んでいたから、体温が上昇しているのだろう。

「…」

けれど俺だって負けやしない。
珍しくお酒を飲んでいない俺だけど、たしかに熱い。身体が熱い。

「土方さん」


大好きな人にキスをするだけでこんなに、身体の芯から震えるように熱くなるんだ。



目頭に何かこみ上がってきそうで、俺は慌てて副長室から飛び出した。




今度はどうしようかな、何をして、キスをする理由を作ろうか?






***
あんまり更新していないんで、一発書きで汚いですが、短編だけでもと思い更新。
ほんとう放置すみませぇぇぇえええん


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