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アイアイガサ





……これは。
マズくないか?



不審そうな目を向けられて、
俺はストーカー扱いだ。

そうに決まってる。


『……なんでここにいるの?』


ほら来た。
なんでと言われても。


『さっきの駅で降りたんじゃ……』


しかも気付かれてた?

……マズい。

俺の口からは言い訳の言葉も出てはくれない。


『………………』


嫌な沈黙。



『カサ……持ってたんだ』


『?』


俺は正直に話す事にした。
あー、
カッコ悪。


『……えへ。私も。
……ちょっと期待はしてたんだけどね』


『……?』


アイツは恥ずかしそうにそう言った。
自分のカサをしまうと、
俺の隣に来て、


『カサ、忘れちゃった』


悪戯っぽく笑った。





コイツにはかなわない。





『……入ってくか?』





俺は負け惜しみを言って、


『えへへ。モチロン』


彼女は嬉しそうに、

歩き出した。





──End。





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あきゅろす。
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