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5000hit記念小説
嫉妬で測る君の心

ボワン!!

その場の雰囲気に似つかわしくない音と煙が和室に広がった。

その場に居合わせた男は一瞬にして何が起こったかを察すると、瞬間的に機嫌を損ねて、顔を不機嫌に歪めた。
煙が晴れてくると、その目の前には先ほど目の前にいた男の幼いころの顔があった。



「コホッ・・・いったい何が・・・?」



そう言って少年は煙たそうにしながらゆっくりと目を開いた。
そして、目の前にいる和装の男を視界に入れると、電気が走ったかのようにビクッとなり、目を見開いた。

それもそうだろう、今の今まで水中の中で動きを封じられて捕らえられていたのだから。



「あなたはいったい・・・?」


「・・・どいて」


「はい?」



一瞬何を言われたのか分からず、聞きかいしてしまったが、そのあとすぐに状況に気がついた。

自身が男の上をまたぐように乗っていたことに・・・。



「??すいません・・・どきます」



なぜ自分が乗っていたのかは分からないが、とりあえず骸は細身の男の上から下りた。

そんなとき、部屋にピピピッという電子音が響き渡った。

そして、部屋の隅に置かれていたモニターらしきものに人物の姿が映し出された。
その男はどうにも申し訳なさそうな顔を・・・というより少し怯えたような顔をしていた。

おそらく察するにこちら側にいる和装の男がものすごい勢いで睨みつけているからだと思われる。



「やっぱり君の仕業か。」



男は不機嫌な声音で画面の男に呟いた。



「すいません!雲雀さん!この間今日タイムスリップの実験をさせてもらうと骸さんに言っておいたはずなんですが・・・・聞いてませんでしたか・・・?」



男は怯えながらも和装の男に向かって話し始めた。
今の発現から推測するにここは10年後の世界らしい。

そして目の前にいる美青年はどうやら10年後の雲雀恭弥らしい。



「骸からは何も聞いてないし、そんなそぶりも何もなかったんだけど。」



雲雀はそういうと、モニターの前に行き、腕を組んで柱にもたれかかった。



「すいません・・・聞き流されていたのかもしれません・・・」


「まあ、彼に言ったのなら彼の落ち度だからね。それより僕が聞きたいのはそんな謝罪の言葉じゃないんだけど?今回の実験は何分間の実験なんだい?」



そう言って雲雀は飛んできたヒバードを指にとまらせた。



「はい、今回の実験は約30分間に設定してます。始ってから約5分経過しましたので、残り25分です。」


「ふうん。だいぶ装置は安定してきているようだね。」


「はい・・・あの、雲雀さん・・・」


「なんだい?」


「一応骸さんをこちらに戻すこともできるんですが・・・戻した方がいいですか?」



そう言って申し訳なさそうにする男を一瞬ちらりと見て、今度は少年の方の骸をじっと見て、雲雀は薄い笑みを浮かべた。



「いや、このまま実験を続けていいよ、入江」


「え、いいんですか?」


入江は驚いたように俯いていた顔を挙げた。



「僕がいいって言ってるんだから、そのまま続行しなよ。何度も確認されると咬み殺したくなってくるんだけど?」


「す、すいません!!では、このまま続行させていただきますね。では、失礼します!」



雲雀が咬み殺したくなる前に退散しようと、入江は言い終えるとすぐにモニターの接続を切った。

雲雀はすっと骸を見つめ、座ったままだった骸のもとに歩いて行った。



「状況は把握できたかい?」



そう言って骸の顔を覗き込んで少し笑みを浮かべた。

骸はその顔に少し見惚れながらも、



「ええ、大体は・・・」



と返答を返した。
だが、腑に落ちないこともいくつかあった。

なぜ自分は雲雀恭弥と一緒にいたのか、この時代の自分たちは仲が良いのだろうか・・・?
しかも、自分は彼の上に乗っていたのだ・・・。
そんな疑問が頭の中を占領していると、ふと、雲雀が骸の頬に触れてきた。

突然のことに硬直する骸を見て雲雀はフッと笑った。



「どうして君は僕の上に乗っていたのか分かるかい?」



雲雀の手が頬を滑り、顎にかかった。
骸は何か這い上がってくるものを感じて、その手を退けようとしたが、雲雀の行動に驚き、実行に移すことはできなかった。



「んむっ・・・!!」



雲雀がいきなり口を塞いできた。
しかも自身の唇で・・・。
驚いて骸が固まっていると、口づけは一層深いものになり、舌が絡められ、溢れ出た唾液が顎を伝った。
やけに水音が耳につく。



「・・・はっ」



ようやく唇が離れたときには、息が上がっていた。

雲雀の方は余裕の表情で、薄く笑っている。



「君と僕は今こういう関係だよ。」



そう言って雲雀は着物の襟もとを少しはだけさせた。そこには白い肌に映える紅い花弁が散りばめてあった。



「この時代の僕は・・・あなたの恋人・・・?」



そう言いつつ、目の前の雲雀を直視できないでいるのは、まだ幼い証拠だろうか。

そんな様子を見て、雲雀は少し悪戯心が芽生えてきた。

途中でいなくなったこの時代の骸に少し腹を立てていたのも事実なので、この時代の彼に少し報復を加えたくなった。

そのために目の前の骸に協力してもらおうと雲雀は再び少年の骸に顔を近づけた。



「君には連帯責任ということでしばらく付き合ってもらうよ。」



そう言って雲雀はいきなり、骸のズボンのベルトに手をかけた。



「な、何をしているんですか!」



慌てて雲雀の手を押えようとする骸の手を逆に制すると、雲雀は素早くベルトを外し、中に収まっていた骸自身を外に引き出した。



「ちょっ・・・・っ」



それを躊躇せずに口に含むと、性急に追い上げるように、くびれに舌を這わせ、唇で吸い上げていく。

ちゅく、ちゅ・・・という水音がやけに耳について、余計に煽られていく。

ちゅっという音とともに顔を挙げた雲雀の顔を見て、骸はぞくっと背筋が震えるのを感じた。
頬が若干紅く染まり、唇は先走りに濡れて、どうしようもなく色気を感じさせられた。



「時間がないからね・・・僕は後でいいとして、君を先にイかせてあげるよ。」



そういうと雲雀は自身が着物の下に穿いているボクサータイプのパンツを脱いで、骸の先走りで濡れた指を双丘に這わせると、その奥にある蕾に指をゆっくりと差し入れた。



「はっ・・・」



少し苦しそうについた息が頬にあたって熱い。

雲雀の苦しげに歪められた表情にどうしようもなく煽られた骸は、上体を起こすと、雲雀の蕾に差し入れている方の指に自身の指を沿わせて、狭い体内に差し入れた。
さすがの雲雀も、その行動は予想していなかったようで、



「は、あ!!」



びくっと体を震わせ、骸の肩に手をついた。

よく見ると、雲雀自身も己の指に犯されている感覚によって高ぶっているようで、若干頭をもたげていた。

骸は、雲雀の足の間に自身の足を入れ、跨ぐようにさせてから、雲雀のモノと自分のモノを一緒に擦り始めた。



「あ!ちょっと・・・僕はいいって言ったでしょ・・・」


「いくら僕が10歳年下だからってなめ過ぎていませんか?されてるだけじゃ性に合わないんですよね。」



そういうと、骸は雲雀の体内にある指を動かし始めた。



「んっあっ・・・はぁ」



前と後ろの両方の刺激によって雲雀から段々と力が抜けてきたそれと同時に後ろも綻び始め、前からは先走りが伝い始めた。

骸はその様子を見て、指の動きを速くしようとした。

だがそれは、雲雀の手によって制止された。



「もういいから、時間がない・・・」



雲雀はそういうと、骸の指を自身の指と一緒に引き抜いて、骸のモノに手をかけた。

そして自身の蕾に押し当てて、ゆっくりと体を沈め始めた。


「は・・・っ」



ぢゅっちゅくっという音とともに、雲雀の中に骸のモノが収まっていく。



「きつ・・・・」



雲雀の引き締まった双丘の奥は、狭く、入れただけで達してしまいそうだった。
だが、いくら自身がこの時代の雲雀より年下で経験があまりないとはいえ、そう簡単にイってしまったら面子が立たない。

骸は、眉根をよせ、唇を噛みしめて迫りくる衝動を何とか鎮めようとした。


そんなとき、そんな骸の状況を知ってか、雲雀がいきなり腰を動かし始めた。



「ちょっと待ってくださ・・・」


「言ったでしょ、時間がないって・・・」


そう言って雲雀は搾り取るように、骸のモノを締め上げて、上下に揺さぶった。きつけられた。

その衝動に雲雀も耐えられなくなり、背筋をしならせ、骸の腹に厚いものを放った。


「ん・・・・はあっ・・・はぁ」


荒い息をつきながら、雲雀は腰を上げ、骸を引き抜いていく。
骸はその様子を射精の余韻で朦朧としつつ眺めていた。


「・・・今さらですが、僕とこんなことをしていいんですか?あなたの恋人はこの時代の僕でしょう?僕だったら恋人を他人の目に入れるのも嫌だと感じると思うんですけど・・・この時代の僕は淡白なんですか?」


「フフ・・・どうだろうね?」


雲雀は少しふらつきながら、立って再び乱れた着物を直している。
その様子を見て、骸も身なりを整え始めた。

そういえば、水の中にいたはずなのに、服が濡れていない・・・どころか自分は黒曜の制服を着ていた。
なぜだろう、と考えながらベルトを締めていると、そんな考えをお見通しだったのか雲雀が少し笑いながら、



「服はね、装置が変換してくれるんだって。」


と言った。そして、壁に掛けられてる振子時計を見上げた。



「ああ、あともう30秒だね・・・」

そう言って骸の方に振り返った。そして、



「さっきの質問に答えてあげるよ。君の言ってたことは間違ってはいないよ?」


とだけ言うと、骸に触れるだけのキスをした。

次の瞬間、ボワンと煙が立ち込め、骸の体は再び冷たい水の中へと引きずり込まれていった。









「恭弥・・・10年前の僕と随分とお楽しみだったようですね・・・?」



骸は煙が晴れて、目の前にいる雲雀の姿を見た途端に、雲雀を畳に引き倒し、その言葉を放っていた。


「何をそんなに怒ってるんだい?相手は10年前の君でしょ?」


そう言って見下ろしてくる骸の頬に手を添えた。

その手を骸はそっと掴んで、指先にキスを落とした。



「10年後の僕であっても、この僕以外が君に触れるなんて許せません。10年前に行って僕を殺してきたいぐらいですよ。」


そう言って骸は暗く微笑んだ。


「馬鹿だね君は・・・そんなことをしたら今いる君もいなくなるでしょ。」


雲雀は上体を起こすと、骸に触れるだけの口づけを落とした。


「そんなに嫌なら、君で消毒してよ・・・」


その言葉に、骸は一瞬驚いたような表情をした後、少しうれしそうに


「もちろんですよ。今日は簡単には終わらせませんからね。10年前の僕の跡をひとつ残らず消してあげますよ。」


と言って、
今度は骸から溺れるような口づけを仕掛けた。












fin


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