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創作
王道脇役設定で美凡?

王道になびかないちょっと変わった美形とそこそこ整ってるけど地味オーラ全開の脇役








 息抜きに立ち寄った図書室で、最近なにかと騒ぎの渦中に置かれている人物が長椅子に横たわっているのを発見した。

 よく平凡だの地味だのと言われている、しかし確かに地味ではあるが、よくよく見るとそれなりに整っているのだな、と思う。
 普段開いているのか分からないような目は実は睫毛が長いし、薄い唇は淡い紅色をしていて、なにより肌が綺麗だ。ヒゲ生えないのかこいつ。

 しかし一番気になるのは、肌の色。白い。白すぎる。血の気が全くない。
 呼吸も浅いらしく、人形か死体にしか見えない。

 ……こいつ本当に生きてるのか?
 心労で死んだりしてないか?

 もしや、と思い顔に手をやると、一応呼吸はしていた。
 それにしても、見れば見るほど作り物じみてくる。球体関節があっても不思議じゃない。どこかのアニメ映画に出てきそうだ。

 熟睡しているのを良いことに、顔を近くで観察する。
 体温も低いのか、殆ど温度を感じない。実は機械です、とか言われても信じるな、これは。

 鼻がつきそうな距離まで顔を近づけた所で、

――目が、開いた。


「……なにかようですか」
「……いや、なにも」

 気まずい。非常に気まずい。
 急いで避けたが、明らかに不審者だ、俺。どうするんだ、俺。

――固まっている俺を訝しげに一瞥し、作り物じみた彼は立ち去った。

 常よりも大きく開かれた目、瞳の色は、氷塊を思わせる水色だった。
 どこまでも、人形めいている。

 体温は本当にあるのか、心臓動いてるのか、飯食ってるのか……。
 気になることが、多すぎる。

 あの外部生や無駄に面の良い奴らと関わるのは避けていたが、どうやらそうもいかなくなったらしい。

 さて、彼の名前はなんだったか。

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あきゅろす。
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