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novel2
もう届かない距離に(まほろ)



きっと、とても愚かなことをした








「…おい…おっさん…?」



俺は無力だった



「起きて…起きろよ…っ」



ただひたすらに、願っていただけなのに



「ごめんなさい…っ」



そう俺は、とても愚かなことをした










「………ねえ…多田、目覚めないよ」

…ごめんなさい

「ねえ……多田は、いつ目を覚ますの?」

ごめんなさい…、ごめんなさいっ

「……由良は、なんで謝ってるの……?」

いや…もういやだ…っ起きて!お願い、謝るから!

「多田ぁ、早く目ぇ覚ますんだよ」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい









それはほんの些細な出来事だった。ほんのちょっとの好奇心と親への反抗心。
俺のしていることは犯罪だった。
だけど馬鹿で愚かな俺は気付かない。気付かないまま、過ちを犯す。
耳から離れない銃声、フロントガラスが割れる音。網膜から離れない、真っ赤な血。
あああああああああああ、狂いそうになる。忌まわしい出来事。
ごめんなさいごめんなさい。
おっさん、ごめん。俺が悪かったよ。もう馬鹿なことしない。親に反抗しようとしたりしないし、いい子にするから。
だからもう、起きて。










「……ねえ、なんであんなことしたの?」

「…ごめんなさい、興味本位で……」

「そのせいで多田はどうなったと思う?」

「…っ、ごめんなさい…」

「多田ってお人好しだからなあ」

「………」

「………なんで多田なの」





俺がこうなればよかった。幾度となく後悔している。無意味なことと知りながら。





「ごめんなさい、俺が、代わりに死ねばよかった」





代わりに死にたかった。
俺だって、おっさんを亡くすのは絶望的なんだ。
もう生きる意味もない。





「……そうだね、お前が代わりに、死ねばよかった」





ごめんなさい。
だからお願い。
俺が一生この絶望を忘れないように、死ぬまで憎み続けて。





ただ、願い続けていただけなのに

(あんたとの幸せな日々を)










なんじゃこりゃあああ!!の、捏造で由良→多田

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