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Problem Darlings!(BD)


朝、目が覚める。カーテンの隙間から差し込む細い光は眩しく、身体は少なくとも2つ以上の意味で倦怠感を訴えている。訴えてはいるが、それはある種幸せな気だるさだった。瞼を起こせば目の前にはよく見知った赤毛が。今日はディヴァインだ。首をひねって後ろを見ればブリングの寝顔がそこにある。二人に抱きかかえられて目覚める朝は何度目だろうか。もう数えるのも無駄に思えるほどの朝をここで過ごした。僕を抱き抱える腕の中で寝返りを打って天井を見上げる。くあ、と小さなあくびが漏れるのと同時に小さくお腹が鳴った。

(お腹減った…)

僕は出来損ないのイノベイターだった。本来なら必ず持つはずの対の存在を持たない単存在、不完全な脳量子波制御…。出来損ないの理由を挙げ始めたらキリがないけれど、この燃費の悪さもそのひとつだった。
ディヴァインは起こしたって起きないからブリングの寝顔に手を伸ばして頬をこする。

「ブリング、起きて」

比較的ブリングの方が寝起きはいい。だって、起こしたら起きるし。ディヴァインは起こしたって絶対起きない。何回集合に遅刻してリボンズにお灸を据えられたか分からない。でも悲しいかな、対の存在である彼もまた非常に寝起きが悪かった。

「ブリング、」
「…」
「ブリ…ふぁっ?!」

びくんっ!と思わず身体が震える。太ももの隙間にブリングの脚が割り込んできて、ぎゅう、と抱きかかえる腕に力がかかった。

「や、ちょ、ブリ…んぐぅ…!」

ゆるゆると擦られて、思わず声が上擦る。でもここで流されたら負けだ。何でかって?ブリングは寝ぼけてるだけだからそれ以上の行為には発展しないし、起きもしないからだ。ここで流されてその気になってしまったら、お腹も満たされないソッチも満たされないで最低な状態になる。

「ひっ?!」

する、と後ろから手が伸びてきて、腹のあたりを撫でる。悲しいかな、対の存在の彼らは同時に寝ぼけることが多い。こんな時ばっかり…!と涙目になりかけた。逃げようともがく身体を4本の腕が絡めとる。
むり、逃げらんない。

「あ、ぅ…ひ、」

呼吸が荒くなる。直接的に加えられる刺激に頭がとろん、として働かなくなる。耳に届く水音がいやらしくて、恥ずかしい。ぎゅ、と目を閉じて…次の瞬間飛び起きた。

「っていうか起きてるじゃん!!」
「、ようやく気づいたか」
「みたいだな」

けろりとした言った二人に、耳まで真っ赤になる。寝ぼけてあんなピンポイントに刺激できるかと言われればノーだ。気付くのが遅すぎた。ベッドに寝転がったまま僕を見上げる二人に、わなわなと握った拳が震えた。

「そう怒るな。風呂場で抜いてやる」
「いい!いらない!!」

まとわりつく腕を振り払ってベッドを抜け出す。とたん、内股を伝う濡れた感触に頬が引き攣った。萎えた脚が耐え切れずにへたり込む。

「無理をするな」

ひょい、とブリングに抱きあげられて声にならない音が口から洩れる。すねるなとディヴァインが頬にキスをして、結局彼らにかなわない自分を再認識してしまった。



(当然抜く程度で済むわけもなくて。今日の僕オワタ\(^o^)/)

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あきゅろす。
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